踏切で立ち往生の高齢女性救う 白山市の大学3年生宮崎さん「同じことあっても助ける」 IRいしかわ鉄道が感謝状
●遮断機に閉じ込められ 7月、白山市五歩市町の在来線踏切内で立ち往生していた電動シニアカーの90代女性を助けたとして、IRいしかわ鉄道は30日、金沢工大3年の宮崎陽向さん(21)=白山市五歩市町=に感謝状を贈った。女性は踏切を横断しようとした時に降りた遮断機に閉じ込められ、救助が遅れれば大事故になった可能性もあった。宮崎さんは「突然の出来事だったが、助けることができて良かった」と振り返った。 宮崎さんは車で自宅に帰宅中だった7月28日午前10時38分ごろ、踏切内にいる女性を見つけた。付近に車を止めて踏切の緊急停止ボタンを押し、踏切内に入って女性を助け出した。 その後、宮崎さんは現場に居合わせた年配の女性にIRいしかわ鉄道への通報を依頼。女性を安全な場所に移動させた後、踏切を通過しようとした車30台ほどのドライバーに事情を説明し、現場から迂回(うかい)するように誘導も行った。 IRによると、女性は電車が通過後、遮断機が上がった踏切内に入ったが、数秒後に別の電車の接近で再び遮断機が下りたことで閉じ込められた。IRは今回のケースも受けて、遮断機が上がってから再度下りるまでの時間を長くし、取り残される危険性を減らすことを検討している。 IR松任駅で行われた感謝状贈呈式では、江下喜久夫運輸部長が「公衆の安全を守る宮崎さんの行動をたたえたい」と話し、人命救助への協力に感謝した。 宮崎さんは自宅から近く、土地勘のある場所だからこそ迅速な行動ができたと振り返り、「周りの協力もあって、最悪の事態を防ぐことができてよかった。万が一、今後同じようなことがあっても助ける」と話した。