来年の干支・巳にまつわる神社「多鯰ケ池弁天宮」で年越しイベント
鳥取砂丘の南にあり、中国地方で最も深い多鯰ケ池のほとりに立つ神社「多鯰ケ池弁天宮」(通称=「お種(たね)弁天」)(鳥取市福部町湯山)で、大みそかに年越しイベント、正月三が日におもてなしイベントが行われる。(鳥取経済新聞) 【写真】白蛇のおみくじ 大みそかには砂丘砂神太鼓の演奏を皮切りに、マジックショー、トロンボーン演奏、傘踊り、シンガー・ソングライターのノグチアツシさんの音楽ライブを催し、カウントダウンで新年を祝う。屋台での飲食物販売、軽トラでの野菜市場の他、カニ汁と甘酒を無料で提供。正月三が日のおもてなしイベントでは、参拝者に記念品を進呈するほか、温かい汁を無料で振る舞う。 弁天宮とは七福神の中で唯一の女神「弁財天」を祭る神社。弁財天は金運、財運アップ、商売繁盛、子孫繁栄、技芸上達などの御利益がある「水の神」として信仰され、水辺に祭られてきた。全国の神社では弁財天の使いが白蛇とされ、ご神体となっているものもある。 同神社が「お種弁天」と呼ばれるゆえんは、古くから語り継がれてきた「お種伝説」にある。「昔、裕福な長者に雇われていた美しい女性の『お種(たね)』がいた。同じ使用人らが『おなかが減った。おいしいものが食べたい』という度に、お種さんはどこからか甘い柿の実をたくさん取ってきてくれた。ある日、そんなお種さんを怪しく思った使用人が後を追った。すると、お種さんは蛇と化し、多鯰ケ池の中ほどの島まで泳いでスルスルと柿の木に登り、柿の実を取っていた。正体が知られたお種さんはそのまま多鯰ケ池の主になった」という。境内には、お種さんの御神霊を祭った祠(ほこら)「お種の社(やしろ)」が建立されている。 同神社は巳にまつわる神社として地元に親しまれ、12日に1度巡る巳(み)の日、60日に1度の己巳(つちのとみ)の日の吉日に生卵とお酒を供え、御利益を祈願する参拝者が多い。 多鯰ケ池の環境整備や観光地としての活性化に取り組む「多鯰ケ池活性化委員会」の大塚尚生(なおき) 会長は「多鯰ケ池では手作りいかだレースやファッションショーなど、年間を通して楽しいイベントを行っている。巳年をきっかけに地元で団結してお客さまを迎えたい。ぜひ、たくさんの方にお越しいただき、お種弁天と多鯰ケ池の魅力を知ってほしい」と呼びかける。 年越しイベントは大みそかの19時~翌1時、おもてなしイベントは三が日の8時~17時。
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