美人モデルボクサーが亀田とタッグで進化。過去負けた相手にTKOリベンジ
美人モデルボクサーで、前東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者の高野人母美(29、協栄)が26日、後楽園ホールで55キロ契約の6回戦で、3年前にTKO負けしていた東洋太平洋スーパーフライ級5位のカイ・ジョンソン(35、竹原&畑山)と対戦した。 3ラウンド1分36秒に右のショートカウンターでTKO勝利。リベンジを果たした。亀田興毅トレーナーとのコンビで見違えるようにレベルアップ。相変わらずスタミナは切れていたが、反則ギリギリのテクニックで相手の長所を消すなど進化した姿を見せた。女子の日本タイトルが創設されるが、陣営にはバンタムの初代王者を目指すプランがある。高野の戦績は12戦10勝(7KO)2敗。 亀田興毅トレーナーが背中を叩きハッパをかけて美人モデルボクサーをリングへ送りだした。 「様子を見るな、最初からいけ!」 スロースターターだった高野は、修羅の表情。意を決して1ラウンドから攻めた。左ジャブから右ストレート、ややオープン気味のフックを先に先に打って出た。 身長差のある相手にややクラウチングで対峙した。3年前にプロ7戦目で5回TKO負けを喫した際に、インファイトで好きなように顔面を痛打された。今回は、懐を深くして中へ入れさせない。 2ラウンドは左ジャブでしっかりと距離を作った。カイ・ジョンソンがインファイトを仕掛けると、そこに連打をまとめる。アッパーも効果的だった。それでもカイ・ジョンソンに突破されて、下からぶんぶんパンチを振り回されると、体格差を生かし長い腕でクビを締めるような“ヘッドロック”で動きを封じた。反則ギリギリのずる賢いクリンチワークである。相手が得意の接近戦をがんじがらめにしてしまう。 3ラウンドに強引に出てきたカイ・ジョンソンの顔面に右のショートブローが強烈なカウンターの一撃となった。カイ・ジョンソンがもんどりうってダウンするとレフェリーは試合を止めた。 TKO負けをTKO勝ちでリベンジした高野は、リングを走りまわって喜びを表現した。 「亀田トレーナーがついて負けられないというプレッシャーがあった。それが気迫になった」 亀田トレーナーの方も「初めてのトレーナーで自分がやるより緊張した」と責任を感じていた。 三男の元WBO世界バンタム級王者の和毅が協栄所属となったため、興毅もトレーナーライセンスを取得。金平会長のリクエストもあって高野のトレーナーを担当することになった。ロードワークにも付き合うなど「1から100でなく、1から2、3と基礎を教えられた」と、高野。これまで「過去は振り返りたくない」という考えだったが、亀田トレーナーからは、「自分で映像を見て研究しろ」と、徹底したイメージトレーニングを命じられた。3年前のTKOされた試合のビデオを見返して、練習のスパーリングもスマホで録画して、反省点を繰り返し確認した。「台本じゃないけれど、シナリオを昨日の夜もイメージをしていた。その通りにできた」。 足で距離を保ち、クリンチワークで接近戦の爆発力を封じこめる。3年越しの再戦に向けて対策を練った成果は形になった。 亀田トレーナーも、「ここまで冷静に試合を振り返ることができるのは素晴らしい。それにほんとパンチあるしね。もって生まれたパンチ」と、“弟子のTKO決着”を絶賛した。