【フィギュア】千葉百音、困り眉も過去のものに 成長を示した自然の笑み「今はフリー楽しみ」
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第6戦中国杯>◇22日◇中国・重慶◇女子ショートプログラム(SP) 【写真】SPの演技で生き生きとした表情をみせる千葉 【重慶=阿部健吾】千葉百音(19=木下アカデミー)が首位発進した。ミスを最小限に抑えて70・86点をマーク。 自分の殻を破る「弾ける」をテーマとした演目で、成長を示した。70・48点で3位の住吉りをん(オリエンタルバイオ/明大)も含め、5位の渡辺倫果(三和建装/法大)まで1・78点という大接戦。5人全員にシリーズの上位6人が進むファイナル(12月、フランス)が懸かるフリーは、23日に行われる。 ◇ ◇ ◇ その結果が千葉をまた、笑顔にした。「いやあ1位って実感は全然ないです。フリー頑張ったもん勝ちですね!」。大混戦に加えて、なおかつ全員にファイナル行きの可能性がある。自身は優勝で確定、2位以下なら他選手との比較になるが「明日はすごく緊張すると思うんですけど、今はフリー楽しみって気持ちを大事に」。声が弾んだ。 「弾ける」。それが今季のテーマだ。米歌手ドナ・サマーが歌うSPの「ラストダンス」は、アップテンポなダンス曲で「笑わないと点数が出ないし、ノリノリの演技をしないと」と調和を心がける。普段の思慮深さと正反対とも言え、特に笑顔は、以前は難題でもあった。「良い集中をしてる時、自然と困り眉になってしまう」と吐露したのは3月の世界選手権だった。 今、作品を滑り込むにつれ、作る笑みは不要になってきた。口角の角度をミリ単位でこだわりもしたが、「自然な笑みが緊張してても出せる」が目標だった。この日、ファイナルが懸かる第1関門SPに「しっかりそろえたい」と緊張は増した。ただ、冒頭の連続3回転こそわずかなミスが出たが、以降は全て加点を獲得。何より、そんな心理状況でも自然に笑みが浮かんだ。困り眉も過去のものになった。 新境地を模索しながら、同時に結果も求めていく。「自分の新たな表現の分野をいかに楽しむかを、毎回意識しているので」。フリーの接戦も楽しめれば、おのずと初のファイナル切符もつかめるだろう。