エリソン(川崎フロンターレ)　(C)J.LEAGUE

悪い流れをここで断つことができるか。川崎フロンターレにとって、早くも正念場がやって来た。『2024明治安田J1リーグ』第5節・ホームで迎え撃つのは、FC東京である。2週間のインターナショナルマッチウィークを経て、『多摩川クラシコ』で浮上のキッカケを掴めるのか、それともこのままズルズル後退するのか。この一戦は落とせない。 【PHOTO】荒木遼太郎(FC東京) 湘南ベルマーレを相手に白星発進した川崎Fだが、第2節は昇格組のジュビロ磐田と壮絶な打ち合いの末4-5で屈した。第3節ではゴール前の精度を欠いて、0-1で京都サンガF.C.に今季初勝利を献上すると、前節は左ウイング・マルシーニョのゴールで先制するも後半早々に鹿島アントラーズに立て続けにゴールを許し、75分にマルシーニョが2枚目の警告を受けて退場……。8年間負けなしだった鹿島に痛い黒星を喫したのだった。 リーグ2位タイの7得点はまずまずだが、リーグワーストタイの9失点では勝点は積み上げることはできない。川崎Fは15位に甘んじている。今節、2戦3ゴールのエリソンが戦線復帰する見通しなのは明るいニュースだが、マルシーニョは出場停止となる。ビルドアップや攻撃的なスタイル、いい攻撃からのいい守備など、川崎Fらしさを取り戻すのも大切だが、『明治安田J1』第5節はとにかく結果が重要と言える。 もちろん、FC東京も『多摩川クラシコ』の勝利を譲る気はさらさらない。開幕戦でセレッソ大阪、第2節はサンフレッチェ広島、第3節はディフェンディング王者ヴィッセル神戸と上位勢との開幕3連戦を2分1敗でしのぐと、前節はアビスパ福岡を相手に3-1の完勝。 3月16日・ベスト電器スタジアムでFC東京は躍動した。28分左SBバングーナガンデ佳史扶のグラウンダーのクロスをゴール前で受けた右SB長友佑都が14年ぶりのJ1でのゴールをズバリ。その1分後2シャドー紺野和也の強烈なミドルをGK波多野豪が好セーブすると、32分にはトップ下・松木玖生の自陣深くからのロングフィードを左ウイング遠藤渓太が収め、走り込んできた荒木遼太郎へスルーパス。福岡戦ではトップに入った荒木は落ち着いて今季4ゴール目となる逆転弾を決めた。57分にはボランチ高宇洋のシュートは相手DFのブロックに阻まれたが、そのこぼれ球を右ウイング仲川輝人が拾うと、右サイドに侵入した長友へパス。長友のクロスは相手Gにパンチングされたものの、跳ね返ってきたボールをバングーナガンデがダイレクトで左足を振り抜いて勝負あり。82分に1点返されたが、今季初勝利をマークした。 鬼門であった福岡で24年ぶりとなる勝利を挙げたFC東京はこれで1勝2分1敗のイーブンに戻した。順位は10位。ここから連勝し、順位を上げていきたいところである。荒木、松木、バングーナガンデのU-23日本代表勢も『パリ五輪』アジア最終予選まで2週間強、高パフォーマンスを披露し続けていきたいはずだ。 『多摩川クラシコ』対戦成績は川崎の22勝9分11敗の勝ち越し。直近10試合では8勝1分1敗と川崎Fが圧倒している。だが、昨季は1勝1敗。2023年5月にFC東京が5年ぶりに白星をマークした。 果たして、『多摩川クラシコ』で川崎Fが連敗を止めるのか、FC東京が連勝をマークするのか。『明治安田J1』第5節・川崎F×FC東京は3月30日(土)・Uvanceとどろきスタジアム　by Fujitsにてキックオフ。チケットはチケフロ(Jリーグチケット)にて残りわずか。試合の模様はDAZN、NHK BSにて生中継。