<高校野球>「遠くにかすんだ甲子園が目の前に」 東海の2校、センバツ交流試合に歓喜
新型コロナウイルスの影響で中止となった第92回選抜高校野球大会出場校の野球部員たちを「甲子園」での試合に招待する「2020年甲子園高校野球交流試合(仮称)」の開催が10日決まった。既に夏の甲子園大会も中止が決まっており、春夏の夢舞台を失った選手たちへのせめてもの贈りものとなった。 【センバツ32校が8月に交流戦】 ◇「目指してきた仲間の分まで戦って」県岐阜商 県岐阜商(岐阜)の鍛治舎巧監督は同校で記者会見し「センバツ出場が決まった1月24日と同じ気持ち。はるか遠くにかすんだ甲子園が突然、目の前に現れた」と喜んだ。そして野球部員に向け「甲子園を目指してきた仲間が全国に14万人いることを忘れず、彼らの分まで燃え尽きて灰になるつもりで戦って」と呼びかけた。 会見後には、監督に就任した2018年以降の野球部の歩みを振り返る冊子「閉ざされた甲子園の先に」を自ら作製していたことを明かした。「『甲子園だけが全てじゃない』と部員たちに伝えるつもりで作ったが、全てになりそうだ」 ◇「感謝の気持ちを持ってプレー」中京大中京 19年の明治神宮大会で初優勝し、春の優勝候補の一角と目された中京大中京(愛知)の高橋源一郎監督はコメントを発表。「選手たちは気丈に振る舞っていたが、甲子園がなくなってショックを受けているのは誰の目にも明らかだった」とし、センバツ交流試合について「感謝の気持ちを持ってプレーさせていただく。他校の情熱に一歩も引けをとることなく、最高の姿を見ていただきたい」と述べた。【熊谷佐和子、ガン・クリスティーナ】