【10年ひと昔の新車】フォルクスワーゲン ザ・ビートルは、初代へのオマージュから生まれた
使い勝手も高まって、ヒットは間違いなしか
ハンドリングはフォルクスワーゲン車らしく、きわめて素直だ。ニュービートルと違い、タイヤの位置が運転席から把握できるので、だいぶ取り回しがしやすくなり、しかも静粛性はそこそこと、ベース車のゴルフ トレンドラインに味わいは似ている。ただし、乗り心地は若干硬めだ。リアに北米仕様のジェッタの足まわりを組み込みスポーティさを高めたというだけあって、シャキッとした風合いがプラスされている。 ユーティリティ面も、ゴルフよりは機能面では劣るように見えるが、たとえばラゲッジスペースはゴルフが350Lなのに対して310Lと十分に確保されている。ニュービートルに比べれば、1.5倍も広くなっている。しかもハッチゲートが奥の方から開く形状のため、リアシートバックを倒して高さのある荷物を積むときなどは、むしろゴルフより使い勝手が高いと思われる。 小柄な人には、バンパーの出っ張りがジャマになってハッチゲートの開口部が遠く感じたり、リアシートバックを倒すときに手が届きにくかったりもするが、まあそれはビートル独特のスタイルに免じて許してもらおう。 いずれにしても、21世紀のカブトムシはスタイルで気に入ってしまう女性だけでなく、男性も気負わずに乗れるクルマに仕上がっているといえるだろう。ニュービートル同様、ザ・ビートルもヒットは間違いなさそうだ。
フォルクスワーゲン ザ・ビートル デザイン レザーパッケージ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4270×1815×1495mm ●ホイールベース:2535mm ●車両重量:1280kg ●エンジン:直4 SOHCターボ ●総排気量:1197cc ●最高出力:77kW(105ps)/5000rpm ●最大トルク:175Nm(17.8kgm)/1500-4100rpm ●トランスミッション:7速DCT ●駆動方式:横置きFF ●燃料・タンク容量:プレミアム・55L ●JC08モード燃費:17.6km/L ●タイヤサイズ:215/55R17 ●当時の車両価格(税込):303万円
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