ソウル線の利用希望4割 長崎経済研究所が県民アンケート 海外旅行、需要喚起策が課題
長崎-韓国ソウル(仁川)の国際定期航空路線が約5年半ぶりに再開したのを受け、長崎経済研究所(長崎市)が長崎県民にウェブアンケートをしたところ、利用したいと答えたのは4割にとどまった。路線を維持し経済波及効果を高めるには、アウトバウンド(日本人による海外旅行)需要の喚起策が課題となりそうだ。 同路線は搭乗率が低迷し運休していたが、大韓航空が10月27日から週4往復を運航している。同研究所は同22~28日、ウェブアンケートサイト「リサチャン」で県内18歳以上の男女モニターに尋ね、403人が回答した。 内訳は「ぜひ利用したい」10・7%、「できれば利用したい」30・5%。「まだ分からない」も22・1%で潜在的なニーズをうかがわせる。ただ、「利用しようとは思わない」が35・5%に上った。 利用を促す方法を複数回答方式で尋ねると「利用しやすい料金の旅行商品を増やす」が最も多かった。次いで「利用しやすい運航時間にする」「長崎空港のアクセスを良くする」-の順だった。 そもそも路線再開を知っていたのは65・3%。59・3%が再開を「良かった」と歓迎する一方、39・0%は関心がないとした。どういう効果が期待されるかを歓迎層に複数回答方式で質問すると、「外国人旅行者が増え、観光振興につながる」を筆頭に、人や文化の交流促進、本県の知名度・ブランド力アップが続いた。「仁川乗り継ぎで多くの国際路線を利用しやすくなる」は35・1%、「県内企業と韓国とのビジネスが活発になる」は25・9%だった。 自由記述では「(週4便中3便の)ソウル発が午前便なので福岡空港を利用してしまう。もっと現地に長時間滞在できる時間設定を」(長崎市40代女性)、「長崎の魅力が伝わるよう自分でもSNS発信したい」(佐世保市40代女性)といった声が寄せられた。