ウクライナ兵3人が5倍の敵を殲滅 ポクロウシク方面、M2・ドローン・大砲が巧みな連携
ウクライナ陸軍の第425独立強襲大隊は、ウクライナ軍で米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車を運用する最大でも6個しかない大隊のひとつだ。ウクライナ軍の戦力組成のしきたりどおりなら配備数は31両だろう。 【画像】M2・ドローン・大砲の連携で、ロシア兵を攻撃するウクライナ軍 400人規模の第425強襲大隊は重量約30t、乗員・兵員計10人のM2を、ロシア軍の1年あまりにおよぶ東部攻勢で現在の焦点になっているドネツク州の都市、ポクロウシクのウクライナ軍による懸命の防衛で効果的に活用している。 9日かその少し前、ポクロウシクへの接近ルートのどこかで繰り広げられた激しい歩兵戦闘で、第425強襲大隊のチームは、迫撃砲やドローン(無人機)、そして迅速に対応するブラッドレーの支援を受けて、5倍の規模のロシア軍部隊を撃破した。 2部構成のこの火力戦闘は、「戦場のタクシー」のM2から下車したと思われる第425強襲大隊の兵士3人が、ロシア兵3人が路上を歩いて近づいてくるのを発見したところから始まった。 ウクライナ兵たちにはロシア兵たちが見えていた。ロシア兵たちにはウクライナ兵たちが見えていなかった。エストニアのアナリスト、WarTranslatedが英語字幕をつけてくれている動画で、第425強襲大隊の隊員は「(ロシア軍の)これら3人は何も疑っていない」とナレーションを入れている。 ウクライナ兵たちは「進み出て、手榴弾で状況をコントロールした」とナレーターは語る。ライフル弾数発が狙いすまして撃たれ、待ち伏せ攻撃は終わった。ロシア兵3人のうち2人は倒れ、死んだようだ。もう1人は「観念した」のか、うつ伏せになり、ウクライナ兵たちのほうに這って進んで投降した。 3対3と対等だった戦闘が突然、第425強襲大隊側にとって不利になったのはそのときだ。同じ道を12人かそこらのロシア兵が行進してきたのだ。一部始終は上空からウクライナ軍のドローンによって監視されていた。 近くに配置されていたウクライナ軍の迫撃砲部隊が砲撃する。ドローンチームも爆撃を加える。ロシア軍の突撃部隊は「存在しなくなった」とナレーターは述べている。 その後、ウクライナ兵3人を運んだのと同じかもしれないM2が現場に到着し、念のためさらに射撃を行っている。ブラッドレーは高速の25mm機関砲を撃ちまくり、キルゾーンを肉処理場に変えた。 ロシア兵捕虜が増えることはなかった。