体重超過して顔を手で覆う堤駿斗

◆プロボクシング　「ＬＩＦＥ　ＴＩＭＥ　ＢＯＸＩＮＧ　ＦＩＧＨＴＳ２０」　▽フェザー級（５７・１キロ以下）１０回戦　堤駿斗―アンセルモ・モレノ（１７日、東京・後楽園ホール） 　ＷＢＡ世界フェザー級１０位、ＷＢＣ同級８位の堤駿斗（志成）が１６日、東京・文京区の日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）で前日計量に臨み、１回目は５８・７５キロと規定体重を約１・６キロ超過。２時間後の再計量も５８・７キロで失敗した。対戦相手の元ＷＢＡ世界バンタム級（５３・５キロ以下）スーパー王者でＷＢＡフェザー級９位アンセルモ・モレノ（パナマ）はリミットから３００グラム軽い５６・８キロで一発クリアした。 　ＪＢＣの規定では当日計量で８％以内の超過まで対戦可能となるが、両陣営は７％超過までの条件で対戦に合意。堤は１７日午前１０時の当日計量で、６１・１２キロ以内であればモレノと対戦する。 　戦績は２４歳の堤が４戦全勝（１ＫＯ）、３８歳のモレノが４３勝（１５ＫＯ）６敗１分け。 　堤は１回目の計量後、ホテルの自室で減量に努めた。２時間後、計量室に戻って体重計に乗ったが５０グラム落とすのがやっとだった。モレノの妻でマネジャーを務めるルース・ラグナ・ディアス・デ・モレノさんは涙で謝罪する堤を握手とハグで励ましていた。 　堤は昨年１０月、当時ＷＢＡ世界フライ級１５位で１１戦全勝のルイス・モンシオン・ベンチャーラ（ドミニカ共和国）に３回ＫＯ勝ち。プロ転向４戦目で初めてのＫＯ勝利を飾った。今年２月には世界タイトル奪取を見据え、東洋太平洋王座を返上。同下旬からは約１か月、米ネバダ州ラスベガスで、名伯楽イスマエル・サラス・トレーナーの指導のもと、６０ラウンド弱のスパーリングを重ねてきた。今月初旬の公開練習で、堤は「日本人が彼ら（フェザー級の世界トップ選手）に通用すると証明したい」と意気込みを示していた。 　一方、計量後、取材に応じたモレノは「こういう（相手が計量をクリアしなかった）経験は初めて。とても驚いているし、大変失望している。自分にとっては勝った方がタイトルに挑戦できるという気持ちで重要な試合と考えていた。１月からパナマで準備してきて、体調は最高の状態」と意気込みを示した。