結婚の3年後に亡命…「ギリシャ最後の王妃」が着たウエディングドレス、約半世紀ぶりに発見
旧ギリシャ王国のロイヤルファミリーの夏の離宮であり、博物館への改修工事が行われているタトイ宮殿で、1964年に国王コンスタンティノス2世と結婚したデンマークのアンナマリア王女がまとったウエディングドレスが、およそ半世紀ぶりに発見されました。 【写真】「ギリシャ最後の国王」コンスタンティノス2世&アンナマリア王妃の結婚式 首都アテネでこの年9月18日に行われた結婚式で、花嫁はデンマークのデザイナー、ヨルゲン・ベンダー氏が手がけたウエディングドレスをまとい、ティアラを着用していました。 そのティアラは、国王夫妻が結婚から3年後に起きた軍事クーデターによって亡命したとき、預けられた先がわかっていました。ですが、ドレスは行方不明になっていました。
亡命生活を送っていた国王夫妻は、2013年に帰国を認められました。2023年初めにアテネで死去した最後の国王、コンスタンティノス2世は2015年に応じた『タウン&カントリー』誌のインタビューで、「私はギリシャ国内で結婚した、初めての国王でした」と述べ、さらに次のように語っていました。 「古代からのギリシャの歴史を振り返ると……亡命生活を送った人たちはすべて、帰国を願っていました。その気持ちは先祖代々、受け継がれてきたものです」 「おかしな話ですが、誰よりギリシャに戻りたがっていたのは、妻でした。私は帰国がかなって初めて幸せになれるということに、気付いていたのでしょう」 タトイ宮殿でウエディングドレスが発見されたことを明らかにしたのは、ギリシャのジャーナリスト、アンドレアス・マゴス氏です。ドレスが入っていたケースの写真とともに、次のように伝えています(以下、ギリシャ語の英訳より)。
「タトイ宮殿で見つかったアンナマリア王妃のウエディングドレスです。数日前、保管されていたロイヤルファミリーの所有品のなかから発見されました」「タトイ宮殿博物館に展示されることになるでしょう」 宮殿では現在、建物を博物館にするための改修工事が行われています。およそ1497万ドル(約22億6400万円)をかけて進められている工事の過程で、すでに数多くの王家の所有品が見つかっています。 ギリシャのニュースサイト『グリーク・リポーター』は2020年、宮殿の改修工事について、こう伝えていました。 「……発見されたもののなかには、スーツケースとトランクが合わせて70個あります。すべて、1947年に夫であるパウロス1世の即位とともに王妃となり、1964年にその死去により皇太后となった、フリデリキ妃のものとみられています」 「ギリシャの近代史上、貴重な品々を傷つけることがないよう、考古学者たちの監督のもとで、作業が行われています」 アンナマリア王妃のウエディングドレスが今後、どのように取り扱われるかについては、まだ何も発表されていません。
From TOWN&COUNTRY