ざわめいた会場。久保建英のフル代表初戦ベンチ外のなぜ?
先発した中島翔哉(アル・ドゥハイルSC)と堂安律(FCフローニンゲン)に、2人に代わって途中出場した南野拓実(ザルツブルク)と伊東純也(KRCヘンク)が続き、トリニダード・トバゴ戦では出場機会がなかった香川真司(ベシクタシュJK)も控えている。 中島、堂安、南野、伊東の4人は昨年9月に森保ジャパンが船出したときからの常連。香川は昨夏のワールドカップ・ロシア大会以来となる復帰を果たした3月シリーズで、指揮官から及第点を得たことで引き続きチャンスをもぎ取った。 加えて、今回のキリンチャレンジカップは、9月から始まる予定のワールドカップ・アジア2次予選前で最後のテストマッチとなる。ゆえに4バックで戦ってきたチームのオプションを増やす狙いを込めて、不慣れな3バックで最後まで戦わせた。 一方で今月中旬からブラジルで開催されるコパ・アメリカには、東京五輪世代をメインとした別編成のフル代表で臨む。中山、ベンチ入りしながら出番がなかったGK大迫敬介(サンフレッチェ広島)とともに引き続き招集される久保は、指揮官の序列のなかで他の東京五輪組よりもフル代表に近い位置にいながら、同時にフル代表の常連組や香川の後塵を拝するレベルにあるのだろう。 チームは一夜明けた6日に、エルサルバドル代表戦が行われる仙台へ移動する。ひとめぼれスタジアム宮城に舞台を変えて行われる一戦でのフル代表デビューはあるのか。指揮官は「チーム状況次第」と明言を避けながらも、再び久保への賛辞を贈っている。 「彼が成長し続けてくれれば間違いなく十分にプレーできると感じているし、彼の成長と我々の使い方をマッチさせていきたい。久保だけでなく選手たちは日本の宝なので、成長していく彼らをどのように見ていくのか、という点を考えながらベストの道を探っていきたい」 4バックにはいつでも戻れる、という認識のもとで、おそらくは引き続き3バックが試される。その場合は、ベンチ入りできるシャドーの枠は今回と同じ「5」か。先発して後半途中までプレーした中島や堂安のコンディションを、あるいはエルサルバドル戦までの3日間の練習で序列を覆すインパクトを久保が残せるかどうかを、森保監督は慎重に見極めていくことになる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)