市販化が待ち遠しいこの3台 シビックRS/レクサスLBX MORIZO RR CONCEPT/MAZDA SPIRIT RACING 3 concept
ホンダ・シビックRSプロトタイプ
事前の告知はなく、1月12日のプレスカンファレンスで世界初公開されたモデルがシビックRSプロトタイプだ。6速MT専用モデルであり、2024年秋の発売が予定されている。展示車両はすべてのウインドウが真っ黒で、室内の様子を確認することはできなかった(シフトレバーまわりを確認したかったのだが)。 フロントバンパーの造形が現行型と異なっており、よりアグレッシブになっている。RS専用なのか、それともRSの登場に合わせてシリーズ全体がアップデートを受けてこの顔になるのか、気になるところだ(北米で近ごろ発表された2025モデルはこの顔になっている)。 タイプRを除く通常のシビックシリーズには、ハイブリッドシステムを搭載するe:HEVと、L15C型の1.5L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載するガソリン車が存在する。タイプ名はLXとEXだ。現在、6速MT車が設定されているのはガソリン車のみなので、RSもガソリン車の設定だろう。ちなみに最高出力は134kW(182ps)、最大トルクは240Nmだ。 伝統のRSのネーミングを抱くからには、スポーティな仕立てとなっているに違いない。タイプRほど気負わず、もっと気軽にMTの走りを楽しみたい。でも、少しはスパイスが効いていてほしい。そんな希望を叶えてくれる仕様になっていると期待しておこう。全貌が明らかになる日が楽しみだ。
MAZDA SPIRIT RACING 3 concept
マツダも事前告知なしのモデルを世界初公開した。MAZDA SPIRIT RACING RS ConceptとMAZDA SPIRIT RACING 3 Conceptである。前者はロードスターがベース、後者はMAZDA3がベースだ。 マツダは2021年からスーパー耐久シリーズST-Qクラスに参戦している。MAZDA SPIRIT RACING(マツダスピリットレーシング)は、ファクトリーチームとしてのエントラント(チーム)名である。かつてはマツダスピードの名称を冠してファクトリー活動を行なっていたが、今回ファクトリーモータースポーツ部門を復活させるにあたり、マツダスピリットレーシングの名称を選択し再スタートを切ったというわけだ。 マツダスピリットレーシングの前田育男チーム代表は、「マツダスピリットレーシングをマツダのサブブランドとして育てていきたい」と話した。マツダスピリットレーシングRSコンセプトと3コンセプトは、市販化に向けて開発中のコンセプトカーだ。国内初投入となる2Lエンジンを積んだ、第1弾として登場予定のRSコンセプトも気になるが、MAZDA3オーナーとしてはやはり、第2弾として開発が進む3コンセプトを取り上げておきたい。 RSロードスターは、「スーパー耐久シリーズで培ったノウハウを生かし、そのままサーキットでも楽しめるクルマを目指し、エンジンと足まわりに手を加えたうえで、レーシーなアピアランスに仕立てるつもり」と前田氏。3コンセプトの基本的な考え方は「ロードスターのスペシャルバージョン(RSロードスター)と同じ」とのこと。 RSコンセプトがスーパー耐久シリーズ参戦車と同じエンジンで開発されていることを考えると、3コンセプトが積むのは、レース仕様では300psに到達した2.2L直列4気筒ディーゼルエンジンか(展示車はガソリンエンジン・AT仕様だった)。2024年のスーパー耐久シリーズでは「新たなドライブトレーンの採用にも挑戦したいと考えている」(前田氏)との発言もあったので、AWD?との期待も膨らむ。 いずれにしても、「モータースポーツ直系を感じていただける内容に仕立てたい」とのことなので、進捗を楽しみに待ちたい。
世良耕太