Ｔマネーの電算網障害で発券機が不通になると、手書きで書いた紙のバスチケット。［Ｘ　キャプチャー］

高速・市外バス乗車券の前売りやタクシー料金の支払いなどに使うＴマネーの電算網にエラーが発生した。全国のターミナル１４０カ所で乗車券の電算発売が止まるなど混乱が生じ、乗客が大きな不便を強いられた。Ｔマネーによると、２７日午後１時６分ごろ、電算センターシステムの障害で高速・市外バスの前売り・発券とタクシー決済承認サービスが停止した。バスターミナルに設置された乗車券発売機が不通になり、携帯電話のアプリでも時刻表などを照会することができなかった。午後１時４０分基準でアプリの接続待機人員が１０万人に達した。 【写真】バスターミナルの待合室にぎっしりと座っている乗客たち 携帯電話の中の「デジタルバスチケット」が不通になると、一部乗客は現金を下ろしてチケット売り場で「紙のバスチケット」を購入した。ソーシャルメディア（ＳＮＳ）には紙に「ソウル１３：５０（出発時刻）・１９：２０（到着時刻）」と書いた写真などが投稿されたりもした。あるネットユーザーは「昔のように手書きのバスチケットを与えるアナログ時代が到来した」と皮肉る反応も見えた。高速バス乗車券を携帯電話アプリで予約したパクさん（３４）は「アプリに保存された乗車券を（検札機に）当てたが、処理ができず運転手さんに叱られた」として「調べたら、Ｔマネーアプリのエラーだった」と伝えた。 Ｔマネー側は、電算網が障害発生から１時間３５分後の午後２時４１分ごろ復旧したと明らかにした。しかし、ターミナルごとに適時にバスに乗れなかった乗客によって混乱が続いた。状況を知らずに余裕を持ってターミナルを訪れた一部の乗客は、チケット売り場の電光掲示板に全て「売り切れ」と表示されたのを見て当惑したりもした。混乱はソウルをはじめとする全国ターミナル約１４０カ所で発生し、検札と搭乗に全て支障が生じた。 電算網のエラーによる混乱と不便はタクシーでも発生した。タクシー運転手のチョさん（５０）は「昼１２時～午後２時の間に乗客２人のタクシー料金がカカオペイでは『決済できた』と出たが、Ｔマネーの端末では決済したかどうかが確認できなかった」として「降りた乗客に『決済ができなかった』と電話するところだった」と話した。 Ｔマネー側は「電算センター内の通信網に連結された機械がしばらく停止するなどネットワーク装備のエラーで起きたこととみられる」と説明した。Ｔマネー関係者は「利用者とサービス関連者にご迷惑をおかけして申し訳ない」とし、「被害補償案を用意するなど、最善を尽くす」と話した。２０２１年、ＫＴ電算網の異常で全国でインターネット不通が発生した。ＫＴは加入者全員に対し、当時のエラー発生時間の１０倍に当たる料金を減免する対策を打ち出した。