企画の中身はそっちのけ⁉...アメリカの投資家に評価される、日本では「ありえない」起業家の素質
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第30回 『ただの失敗と優れた失敗...「優れた経営者」だけが知っている「失敗から学べ」の本当の意味』より続く
失敗には必ず価値がある
意外に思うかもしれませんが、アメリカの投資家(インベスター)は失敗した起業家を評価します。彼らが聞くことは、なぜ失敗したのか、何を学んだか、そしてどう改善して次に生かしたのか、です。ここでは「失敗した起業家」ではなく「経験を積んだ起業家」と認識されるのです。むしろ、失敗していない初めての起業家のほうが、厳しい目にさらされます。経験値がないわけですから。 失敗には必ず価値があります。だから、バブソン大学では「MVF(Most Valuable Failure)」として、壮大なイベントを実施して、失敗を祝福します。もう、アカデミー賞のレッドカーペットばりに「もっとも過激な方向転換だったで賞」などと、茶目っ気たっぷりに表彰します。表彰されたほうも壇上で誇らしげに自分の失敗を語ります。真面目に「あそこで判断ミスしました、次からはしません」なんていうコメントはありません。むしろ、失敗を自慢します。失敗の質によって大賞が決まるのですから。 「ヘイ、俺はこんな失敗をしてやったぜ。お前らにできるか?」 「何よりも、この失敗を起こすのに携わってくれたすべての関係者に感謝です」 そう、失敗なんて、笑い飛ばせばいいのです。