市が事業所などと54の災害支援協定 避難所運営や物資確保に期待【山陽小野田】
山陽小野田市は、南海トラフ地震などの大規模災害が発生した場合に、約6万人の市民の逃げ遅れを防ぎ、速やかに避難場所や支援物資の確保ができるようにと事業所、職域団体などと随時、災害時の支援協定を結び、現在までに54協定に及んでいる。 協定内容は、避難所や災害ボランティアセンターの開設と運営、食料・生活必需品や石油燃料の供給、電気設備などの復旧、ドローンを活用した支援活動など多岐にわたる。最も古いのは1972年に旧小野田市が当時の市医師会、市歯科医師会、市薬剤会と結んだ「集団発生傷病者救急医療対策に関する協定・覚書」となっている。 2005年3月の新市発足以降は、公共施設の避難所開設や応急対策に関する締結が多い。11年3月の東日本大震災以降は、民間企業との協定数を増やすことでセーフティーネットを広げてきた。電力・ガス会社などとの社会インフラに対する支援・協力体制、スーパーなどとの支援物資の供給に関する締結が目立つ。 市は毎年、災害予防、災害応急対策、災害復旧・復興に関する事項を定めた市地域防災計画を見直しており、今年度中に資料編を改定する。支援協定の内容については避難場所の増加や救助用機器の提供、市内の避難輸送に関する協定が追加される予定という。 危機管理室の奥田孝則室長は「協定や防災計画の見直しなど、避難者のニーズに沿って適宜変更していきたい」と話した。