名将・鍛治舍巧監督が語る「2024年夏、私はこう戦う!」 創部100周年・県立岐阜商が甲子園で勝つための戦略とは?
岐阜の名門・県立岐阜商野球部は今年で創部100周年を迎えた。これまで夏の甲子園には30回出場し、通算68勝、優勝1回、準優勝3回を誇る。 【動画】名将・鍛治舍巧監督が逆算から導き出す方程式。独自メソッドで県立岐阜商を日本一へ 今年は下級生のころから試合経験を積んできた選手が最上級生となり、春季県大会でも圧倒的な戦力で優勝をはたした。チームを率いる名将・鍛治舍 巧監督は「順調にチーム作りができている」と手応えを感じている。 2021年以来、3年ぶりの甲子園出場へ向けて、名将はどんな策を練っているのだろうか。
プロ注目149キロ右腕を中心に「4~5枚の投手陣で戦える」
投手陣は充実した仕上がりだ。最速149キロ右腕・森 厳徳投手(3年)は171センチ78キロと小柄ながら、多彩な変化球を操る。高校生としてはかなり完成度が高い投手であり、ドラフト候補にも挙がる。鍛治舍監督は森の特徴と入学からの成長、今後の展望をこう語る。 「夏には150キロは期待できるし、決め球をいくつも持っている。入学した当初はとにかくリキんでいましたが、昨秋から状況を見ながら冷静に投球ができつつあります。 試合によって変化球の精度に差はありますが、それでも工夫しながら、その日もっとも切れの良い変化球を自ら見つけて、三振を奪えるのが彼の長所です。身長は大きくありませんが、横にがっしりしています。筋肉にしなやかさがあって、可動域が広く、基礎筋力もこれまでプロ入りした選手と比較しても遜色ありません。完成度は高いですが、まだまだ発展途上。成長が楽しみです」 参考としているのは167センチと小柄ながら中継ぎで活躍している日本ハムの山本 拓実投手だ。 「身長が低いので、角度を生かした投球ができません。低めから伸び上がるようなストレートを投げることを意識しています。ストレートは2200回転ですが、回転効率90%は常に出していますので、伸びのあるストレートを投げられていると思います。スライダーにも自信があって130キロ前半は出ます」 森以外の投手も伸びてきた。右サイドの近藤 朝日投手(3年)は常時130キロ後半の速球、手元で鋭く曲がるスライダーを操り、制球力も高い。140キロ超え右腕の池田 諒真投手(3年)、技巧派左腕としてマウンド度胸もある1年生・渡辺 大雅投手、捕手との二刀流をこなす柴田 蒼亮投手(1年)もいる。 「投手4~5枚をそろえて戦えるかな、と思っています。ベンチ入りできる投手は球速140キロ以上を基準にしています。ラプソードを使って、回転数、回転軸、ホップ率などを測り、各自こだわりをもっています。誰が先発しても、中継ぎをしてもおかしくないレベルになっています。だから森をどの場面で起用するかが大事になりますね」 森が大事な場面で結果を残し、それ以外の投手が持ち味を出せれば、盤石な投手陣になりそうだ。