止まらないブラジルの世界最大級湿原の火災、過去最悪だった2020年の被害を上回る可能性も
世界最大の熱帯湿地帯であるブラジルのパンタナール湿原で火災が発生し、燃え続けている。専門家は、今年は降雨不足のため、過去最悪だった2020年の火災を上回る被害になる可能性があると指摘している。 周囲にもやがかかる中、家畜の鶏を探すファティマ・ブランダオさん。このもやの原因は、ブラジル中西部にある世界最大の熱帯湿地帯で発生した火災だ。 59歳になったブランダオさんは、生まれてからずっとここで暮らしてきたが、こんな光景を見たのは初めてだと話す。「ここでこんな煙がかかったことは一度もなかった。太陽は澄み、空はいつも青かった。(中略)いま丘の全域が燃えており、一帯は煙に包まれている」 パンタナール湿原の火災について専門家は、今年は降雨不足のため、過去最悪だった2020年の火災を上回る被害になる可能性があると指摘している。専門家は、気候変動に伴うエルニーニョ現象の激化が原因だと話す。 通常最も厳しい乾季はまだ先だ。 パンタナール湿原は北海道の2倍以上の面積があり、ジャガーやアナコンダなどの動物の生息地でもある。 「とても悲しい。我々は呼吸しており、呼吸は重要だ。ここにいる動物たちがどんな経験をしているか、想像してほしい」(ブランダオさん) 火災のせいで家の掃除も一苦労だとブランダオさんは話す。「臭いがとても強くなる。朝に家を掃除して、午後に掃き掃除をし、夕方に再び水をかけるがそれでも家の中が埃だらけになる」