65歳で退職します。定年後は「いつかはクラウン」を叶えても大丈夫でしょうか? 貯蓄「2000万円」なので、あまり減るのは不安です
「いつかはクラウン」というキャッチコピーを知っていますか? 若い世代にはあまりなじみがないかもしれませんが、バブル時代を通ってきた世代であれば、多くの人が知っているでしょう。そして今も夢に見ているかもしれません。 本記事では、定年退職を機にクラウンを購入しようとしている人のケースについて考えてみます。果たして一般的な会社員が「いつかはクラウン」をかなえて、老後生活を無事に送れるのでしょうか。 ▼トヨタ「アル・ヴェル」は月々でいくらの支払いが必要? 返済額を試算してみた!
「いつかはクラウン」とは
「いつかはクラウン」というキャッチコピーは、1983年の120系クラウンと共に登場しました。1983年といえば高度経済成長期からバブル時代への過渡期であり、収入も右肩上がりだった時代なので「高級車」に憧れる人も多かったのではないでしょうか。 そしてクラウンは当時のトヨタ車の中ではヒエラルキーのトップに位置する車種であったことから、「いつかは最高級車であるクラウンに乗りたい」という意味でこのキャッチコピーが付き、時代の共感を得たのでしょう。 2003年からは日本国内でもレクサスブランドが展開されたことから、クラウンの立場はレクサスに持っていかれた感は否めませんが、それでも街中でクラウンを見続ける点を考えると、「いつかはクラウン」を忘れていない人たちも多いのではないでしょうか。
現行クラウンの新車価格
現行クラウンのメーカー希望小売価格は、税込み「730万円」と「830万円」の2グレード展開となっています。本記事の計算では、せっかく買うのならということで燃料電池車の「Zグレード830万円」にしてみましょう。諸経費込みで900万円と仮定します。 ちなみに、今のクラウンのキャッチコピーは「It’s time for CROWN」で、直訳すると「今がクラウンの時です」になります。「いつかはクラウン」に憧れた世代に向けたメッセージのようにも感じ取れますね。
「65歳・貯蓄2000万円」クラウン900万円を買って大丈夫なのか
クラウン900万円を買って大丈夫なのか否かを判断するために、90歳まで夫婦ともに生きると仮定し、年金収入から生活費を差し引いて貯蓄が底をつかないかを計算してみましょう。 まず収入は、日本年金機構が厚生年金の夫婦2人分の例として公表している月額22万4482円(2023年度)とし、これが90歳までの25年間続くものとします。 ・22万4482円×12ヶ月×25年=約6734万円 次に生活費は、総務省統計局の家計調査の数字を使いましょう。世帯主が65歳以上の無職世帯における生活費の平均額は約24万円となっており、70歳以上で23万円、75歳以上で22万円と推移しています。 ・約24万円×12ヶ月×5年+約23万円×12ヶ月×5年+約22万円×12ヶ月×15年=約6780万円 最後に収支です。本記事の条件においては、年金と生活費はほぼトントンという状況になりました。貯蓄2000万円には手をつけず、90歳まで生活できる計算になるので、900万円使っても貯蓄は1100万円残ります。
まとめ
65歳からの老後生活において平均的な年金受給額があるのであれば、生活費で貯蓄を削ることはなさそうです。クラウンを買っても貯蓄は残るでしょう。 ただ、老後の貯蓄をいきなり半分使ってしまう「怖さ」の感じ方は、それぞれの価値観で異なるでしょうか。 出典 トヨタ自動車株式会社クラウン 日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について 総務省統計局 家計調査 家計収支編2022年 二人以上の世帯 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部