北朝鮮「民族最大の祝日」の直前、中国共産党ナンバー3に帰国された金正恩
4月15日の北朝鮮は「民族最大の祝日」、金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である。今年は金日成主席の生誕112周年で、翌16日の朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』は、「民族最大の祝日」を、「革命の首都」平壌を始め、全国津々浦々で祝ったという記事であふれた。 【写真】4月13日、訪朝した中国の全国人民代表大会常務委員長の趙楽際氏を歓迎する金正恩総書記 ■ 中国序列3位 それらの見出しだけを訳すと、以下の通りだ。 ・人民の忠正で永遠の朝鮮の春 ・偉大な首領・金日成同志と偉大な領導者・金正日(キム・ジョンイル)同志の銅像に、主体思想国際討論会参加者たちが花束を進呈 ・4月の名節と合わせた、終わりなき満ち足りた愛すべき父(金日成主席)の大いなる愛 ・父の首領様の愛すべきその姿を、人民は忘れません ・永遠の生命力で革命の勝利的前進を推し進めてくれる高貴な持論 ・偉大な首領・金日成同志の肖像画に、意義深い4月の名節に合わせて総連中央幹部たちが花束進呈 ・我が元帥様の恩徳で我が祖国に春があふれてきました ・日増しに花が咲く新たな家の慶事、社会主義文化農村の情緒 ・偉大なる首領様・金日成同志の生誕112周年慶祝で、国立故郷楽団音楽会を進行 これらの「おめでたい記事」を熟読していて、ふと気がついたことがあった。13日に平壌の朝鮮労働党本部庁舎で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)と会談したばかりの趙楽際(ちょう・らくさい)中国全国人民代表大会常務委員長(国会議長)が、消えていたのだ。 中国共産党の序列でナンバー3の趙楽際委員長は、この「民族最大の祝日」を、中朝の「血盟の友誼」で祝うために訪朝したのではなかったか?
■ 熱烈歓迎はしたものの 改めて調べると、趙委員長の訪朝日程は、4月11日から13日までで、国交樹立75周年を記念した「朝中親善の年」を祝うために訪朝したとのことである。14日の『労働新聞』は、「敬愛する金正恩同志におかれては中華人民共和国の党と政府の代表団と接見された」と題した仰々しい長文記事を載せている。 <敬愛する金正恩同志におかれては、党中央委員会本部庁舎で、中華人民共和国の党と政府の代表団のメンバーたちを温かく迎えられ、我が国への訪問を熱烈に歓迎され、彼らと共に意義深い記念写真を撮られた。金正恩同志におかれては、中華人民共和国の党と政府の代表団のメンバーたちと、親善的で建設的な談話を交わされた。 席上、趙楽際同志は、敬愛する金正恩同志に宛てて送って来た、中国共産党総書記で中華人民共和国主席である習近平(しゅう・きんぺい)同志からの挨拶を、丁重に伝達申し上げた。 金正恩同志におかれては、これに謝意を述べられ、尊敬する習近平同志に向けた祝言の挨拶を伝えてほしいとお願いした。