「子連れはタクシー乗り放題に」元アイドルのつぶやき炎上に見る、子育て世帯の悲痛な声! 現役ドライバーも思わずイライラ、もはや支援強化待ったなしか?
専門ドライバーの料金問題
タクシー業界でも子育て支援の制度がある。国土交通省のタクシー子育て支援の一環として、幼児や保護者、妊娠中の人でも安心して利用できるタクシーがある。 全国子育てタクシー協会では、子育てドライバーの育成を行っている。養成講座と保育実習、チャイルドシート設置研修を終了したドライバーがすでに活躍している。 ・幼児を連れた外出のサポート ・保育園、学童保育、塾などへのドアtoドア送迎 ・保護者に代わる送迎 ・陣痛時のスムーズな送迎 など、子どもの年齢に合わせたサービスを提供している。 このように子育てに特化したドライバーがいることで、小さな子どもを持つ親も安心してタクシーを利用できる。 もちろん、サービスは無料ではない。通常のタクシー料金にサービス料金が上乗せされる。このサービスを利用したいが、料金面でちゅうちょしている親もいる。 タクシーには、さまざまな福祉関連の割引サービスがある。障がい者手帳を提示すると10%割引になるほか、タクシー福祉券というものもある。また、各行政機関が発行している子育て利用券や商品券などもある。ただし、使えないものもあるので、利用する際はタクシー会社に確認する必要がある。
ドライバー支援の必要性
たとえ前述のような「子育てタクシー」の制度ができたとしても、それが機能しなければ意味がない。そのようなドライバーはまだあまりにも少ない。親はいつでもどこでも乗せてもらえるわけではない。 いうまでもなく、タクシー会社は営利企業である。ドライバーにも何らかのメリットがなければ、ドライバーは乗せたくないだろう。基本的に、ドライバーは対価を得られない限り、特別なことはしたくないと考えている。 以前、車いすに乗った人を乗せないドライバーが問題になったことがあった。車いす手当のようなドライバーへの何らかのメリットがあれば、乗せないという行為は避けられたかもしれない。 ボランティア活動ではなく、仕事として取り組むべきだ。ただし、当事者が常に費用を負担しなければならないのでは意味がない。筆者は、政府や自治体が費用を負担し、ドライバーの積極的な参加を促すことを期待している。 ドライバーだけでなく、今後活躍が期待されるライドシェアサービスのドライバーも、福祉関連事業に積極的に参加してほしい。行政や自治体は、誰もが福祉に参加できるよう、もっと努力すべきだ。 光上さんのような小さな子どもを持つ親が「政府のお偉いさんたち、タクシーチケットをください」と考えるだけでなく、ドライバーたちも 「手当くだせぇ」 と思っているのだ。
二階堂運人(物流ライター)