「国公立大現役占有率ランク」東日本編 東京芸術大学音楽学部附属音楽、首位浮上のワケ 「入学時に音楽に対する高い素養」
【新・親も知らない今どき入試】 国公立大に現役合格する生徒の割合が高い学校を集計した「全国公立大現役占有率ランク」について、東日本と西日本に分けて紹介しよう。今回は東日本編。合格者データは大学通信が各校にアンケート調査した5月31日現在のもので、合格率が高くても未回答の学校は掲載されていない。 【ランキング】東京都の高校、東大合格者数トップ30 国公立大の人気は根強い。2024年度入試では、18歳人口の減少と連動して国公立大入試の一次試験にあたる大学入学共通テストの志願者が減少した。それでも、国公立大の志願者は国立が前年比0・5%増。公立は1・0%減だが、トータルで前年並みの志願者数を維持している。 そんな国公立の全大学を対象として、卒業生に対する現役合格者の割合をランキングした。その顔触れは、各地域のトップ校に次ぐポジションの学校が数多く、地域は北海道や東北に偏っていることが特徴だ。塾関係者は言う。 「ランキング中の多くは地域のトップ校ではないが、堅実に地元の国公立大に現役合格できる進学校として評価できる。北海道や東北が多いのは、国公立大が数多くあるため。首都圏は幅広い難易度帯の私立大が数多くあるため、国公立大の進学率が伸びにくい」 こうした全般的な傾向に反して、首都圏の学校ながらトップに立ったのは、東京芸術大学音楽学部附属音楽だ。 「入学時に音楽に対する高い素養が求められる東京芸大附は、優秀な生徒がそろっているので、東大より狭き門といわれる東京芸術大への高い合格率もうなずける」(予備校関係者) 2位の新潟南は、新潟や長岡など県内のトップ校に次ぐ学校だが、地元の新潟大の現役合格者は121人で、前出の2校を大幅に上回る。 3位の札幌北は旧帝大に東京工業大、一橋大、神戸大を加えた難関国立10大学に絞った現役合格率ランキングでは、公立校の中で2位の学校。地元の北海道大の現役合格者は北海道のトップ校の札幌南の66人を上回る98人。東大3人、京大8人、大阪大10人と道外の難関国立大にも多くの現役合格者がいる。 各県のトップ校ということでは、秋田が5位にランクイン。合格者が多いのは秋田大が最多で47人だが、東北大にも33人の合格者がいる。特筆すべきは東大の学校推薦型合格者の多さ。16年度から始まった東大の学校推薦型選抜の累計合格者は13人で、東京の渋谷教育学園渋谷(17人)と日比谷(16人)に次ぐ3位に入る。探究学習が注目される中、その成果を東大合格に結びつけている学校といえる。