ブロックチェーン業界は、現実の人々の真のニーズを見ているか
人間的な要素
テクノロジーの開発と導入には学習曲線があるが、それは人間的な要素や配慮によってのみ克服できるものだ。初期のハードルを克服するには、説得力のある証拠と人間的な配慮の両方が必要だ。 製品がユーザーに利益をもたらすと仮定した場合、通常、導入が遅れる主な要因は恐怖心であることを忘れてはならない。ブロックチェーンには非の打ちどころのない証拠があるが、業界はまだ信頼を植え付ける必要がある。 テック業界では一般的に、人間的な要素に訴えかけることは非効率的で不要なものと見なされている。しかし、プロダクトリーダーは、新しい体験をユーザーがすでに知っていて信頼しているものに近づける取り組みにリソースを割くべきだ。 そうした取り組みに永遠にコミットするわけではなく、ユーザーの次の波への扉を開くだけだ。これは、コールセンターに本物の人間を常駐させたり、信頼の代理としてオフィスを置いたり、ユーザーが集まる場所に顔を出したり、スキュアモーフィックなデザイン(現実世界での特徴などをモチーフにしたデザイン)でレガシーなツールを模倣することかもしれない。
ユーザーを信頼する
結局のところ、開発者は、ユーザーが自ら決断することを信頼しなければならない。我々が、ユーザーに我々や我々の製品を信頼することを求めるのと同じように、我々も、人々が彼ら自身のニーズや状況の専門家であることを信頼しなければならない。 ほとんどの状況は、グローバル(すべてのユーザーが一貫して同じ選択をすることが期待できる)、個人(同じユーザーが一貫して同じ選択をする)、コンテキスト(同じユーザーが時間の経過とともに異なる選択をする可能性がある)の3つのカテゴリーのいずれかに分類される。 人々があなたの製品をどのように利用しているかを知ることは、マスアダプションのための位置づけを決めるのに役立つが、人々がいつそれを使うべきかを決めることはできない。 テクノロジーを利用可能で有益なものにした後は、人々が自分で正しい決断を下すことを信頼しよう。正しい製品を作り、メッセージングが効果的であることを確認したら、安心して過ごそう。ユーザーもあなたと同じように理性的なのだから。 これらの原則を守り、時間をかければ、ブロックチェーン製品がエレベーターのようにどこにでもあるものになる道が開けるだろう。 そしてエレベーターのように、これらの製品は、ユーザーが以前よりも簡単かつ自由に、より確実に暮らしていけるようにするものでなければならない。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:bill wegener/Unsplash|原文:The Blockchain Industry Must Build for the Real Needs of Real People
CoinDesk Japan 編集部