2人をつないだ縁がパリで結ばれる…カヌー五輪代表の羽根田卓也と田中雄己 “15歳離れた師弟”が大舞台に挑む
■市の担当者に頼み込み…田中選手の「もう1人の恩師」
地元の岐阜市で6月、岐阜県カヌー協会主催の壮行会が行われました。司会を務める加藤哲平さんは同郷の中津川出身で、もう一人の恩師です。
42歳の加藤さんは、現役時代に羽根田選手とも切磋琢磨した間柄で、引退後は岐阜でジュニアの育成に尽力しています。田中選手のことも中学生の頃から指導し、早くからその才能に気づいていた一人です。 田中選手は中学生の頃、市民プールにポールを張って練習を重ねていましたが、加藤さんは市の担当者にプールの使用を頼み込み、学校終わりに基礎技術を磨く環境を田中選手の為に整えました。
田中選手: 「当時は練習できる環境が木曽川はあったんですけど、そこには子供一人では行けない場所でしたし。夜暗くなってからの練習は、川は危ないのでできなかったので。あの環境があったからこそ、まわりの同世代の選手とも戦えていたと思っています」 そして、田中選手と羽根田選手を引き合わせたのも加藤さんでした。 加藤さん: 「卓也は本当に誰よりもカヌーに打ち込んでいたので。考え方もそうだし、トレーニングもそうだし、オリンピックのメダルを取ることに生活の全てを向けていたので。僕はオリンピックには出ていなくて、(田中選手に)説得力をもたせられなかった。本当に卓也には感謝している。卓也はオリンピックに出る意義について語れるので」 恩師がつないでくれた、運命の出会い。15歳離れた師弟関係の2人で、オリンピックに挑みます。
羽根田選手: 「これだけ歳の離れた選手と一緒にトレーニングをして、自分の励みというかエネルギーになっている場面もたくさんあるので、心強いパートナーです」 田中選手: 「卓也さんはカヌーを通しての歩みだったり、彼の人生の生き方っていうものが一番かっこいいなと思っています。パリオリンピックでは、メダル獲得を目指して頑張ります」