PTA会長を経験。芸人・ヤナギブソンさんが「キッズファースト」で取り組んだ活動とは?
声に出せば、行動すればちょっとずつでも変わる! みんなのPTA奮闘記
昭和の時代から脈々と引き継がれてきたPTAのルールややり方に、これおかしくない?と疑問を感じ、それぞれのやり方で、よりよいほうにと動いたヤナギブソンさんにインタビュー。理想のPTAとは、どんな形なのでしょう?
「キッズファースト」の目線で必要のない役目は取りやめに!
芸人 ヤナギブソンさん ●1976年生まれ、大阪府出身。2002年よりザ・プラン9のメンバーとして活躍。舞台のほか『かんさい情報ネットten.』(ytv)などにも出演。 Instagram:yanagib X:realyanagibson
Interview:子どもたちのためになるかどうかを判断の基準に
’21年に、小学校のPTA会長を務めたヤナギブソンさん。「PTAに関する知識も経験もまったくなかった」ところから、なぜ会長に? 「僕は、もともと子どもが好きで、教育という分野にも興味を持っていたんです。前年にPTA役員をやっていた妻から『次に会長を引き受けてくれる人がいなくて困っている』という話を聞いて、『ほんならやるよ!』と。不安やプレッシャーは感じなかったですね。引き継ぎのときに、とんでもない量の書類を渡されたときはびっくりしましたけど(笑)。幸い、副会長さんが経験も熱意もある方だったので、かなり助けていただきました」 具体的には、どのような活動に取り組んだのでしょうか。 「最初にしたのは、スローガンを掲げること。とにかく子どもたちのことを第一に考えようと、『キッズファースト』に決めました。子どもたちのためになるならやりましょう、そうでないならやめましょう、と活動の方向性を明確にしたかったんです。その年は、学校が周年を迎える節目だったので、本当は芸人仲間を呼んだりして楽しいイベントを企画したかったんですが……世の中はコロナ禍で厳戒態勢。制限が多かったのはもどかしかったですね。 そんな中でもできることを探って、風船飛ばし、航空写真の撮影、全校生徒の手形を押した横断幕作り、といった催しはなんとか実現できました。平日の朝から、黙々と手作業で横断幕の布に穴を開けたり金具をつけたり。真夏にエアコンのない講堂でやっていたので、地獄のような暑さ(笑)! でも学校の様子を知れたり用務員さんと親しくなれたりと、おもしろい体験もできましたよ」 一方、PTAの組織に独自のアプローチを行ったエピソードも。 「うちのPTAには、“地区委員”という役職があったんです。主な仕事は、旗振りなどをして通学時の子どもたちを見守ることなんですが、どうも人気がないらしい。話を聞くと、地区委員は地域の飲み会に出席必須という慣習があったみたいで。それこそ『キッズファースト』から外れているので、やめようと提案して、本来の仕事を行う“通学委員”に変えました。僕は、知らないことだらけやけど、誰とでも平気で話せるタイプ。このときも文科省に直接電話して教えていただいたんですよ。『通学時の安全確保って、どういう仕組みになっているんですか?』って」