Web3インフラ開発のAlchemy、ロールアップサービス提供へ
Alchemyがロールアップサービス提供へ
ブロックチェーンインフラ開発企業のアルケミー(Alchemy)が、RaaS(ロールアップ・アズ・ア・サービス)ソリューションとなる「アルケミーロールアップス(Alchemy Rollups)」を6月6日発表した。 このソリューションの使用により開発者は、独自チェーンの立ち上げおよび拡張が可能となっている。 なおロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術のことだ。 開発者は、イーサリアム(Ethereum)エコシステムでのプロジェクト構築によるコスト削減のため、レイヤー2ブロックチェーンを選択するケースが増えている。ただしブロックスペースの需要とガス代(トランザクション手数料)が連動することから、採用したL2混雑時にはガス代は上昇し、さらにそのガス代はネットワーク側が徴収する仕組みとなっている。またチェーンの構成はL2チェーンが決めており、開発者は自身のプロジェクトに合わせたブロック時間やガス代の制限等カスタマイズは不可能となっている。 そこで今回のようなRaaSを利用し独自チェーンを構築することで、開発者はガス代徴収による収益化やアプリに合わせたカスタマイズが可能となるというわけだ。 発表によると「アルケミーロールアップス」ではOPスタック(OP Stack)とアービトラムオービット(Arbitrum Orbit)といったブロックチェーン開発キットが利用できる他、代替DAレイヤーとしてセレスティア(Celestia)の利用も可能とのことだ。 なおDA(データ可用性)とは、ユーザーがブロックチェーンのデータが正当かどうかを検証する際にブロックのデータを実際に取得し、利用可能にする機能のこと。これにより不正があったトランザクションを誰でも検証し、異議申し立てできるためセキュリティが担保される。 またDAレイヤーはブロックチェーンにデータ可用性を提供するためのモジュールだ。L2ネットワークに対し低コストで提供することを目的として開発されているものが一般的。 現在「アルケミーロールアップス」の提供は審査制となっているようで、ロールアップの展開を1~3ヶ月で立ち上げたい開発者を優先するとのことだ。
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)