女優・櫻井淳子さん「更年期は誰にでも訪れるから、当たり前と受け入れました」|STORY
娘からSOSをきっかけに
― 「誰かに話すと気が楽になる。それがもっとも気持ちのモヤモヤや体調不良に効く」と話す櫻井さんですが、仲良しでオープンな家族関係も、実は以前はまったく意思疎通が図れてなかったギクシャク時代があったそう。 今でこそ家族3人、ずっとリビングで過ごしていて、娘には「たまには自分の部屋に戻ったら?」と言うほどですが、こんなふうに仲良くなれたのは、実は小学生の時に娘からSOSが発せられたのがキッカケ。それまでの私は、子どものためだからと思って、娘には厳しく接していました。小学校受験のための勉強や習い事などにも熱心でしたが、それらは全部、親のつとめだと信じていました。 今でも覚えているのは、小学校受験を控えた前日のこと。幼稚園の帰りに娘が公園に行きたいと言ったんです。私は内心、公園で怪我でもしたら困るなと思いつつ、ストレスを溜めるのも良くない、明日頑張ってもらうためには息抜きも必要かなという考えから、渋々公園に寄ることにしました。でも「滑り台で遊びたい」と言った娘に対して「明日お受験なのに」「滑り台? ブランコ? 怪我するからやめなさい」と全面禁止。 しゅんとしている娘を見た他のお母さんから「これ、子どもは楽しくないよ。もう帰ろうよ」という声が聞こえてきましたが、私は受験のことで頭がいっぱいで、子どもの気持ちなんて考えられない状態。なんとか受験はクリアして小学校に入りましたが、小学校高学年の時に娘から、いろんなことが負担だという気持ちを打ち明けられました。 そこまで娘を追い詰めていたのかと反省した私は、主人と共に親子関係を見直すことに。あれから数年。今では娘とガールズグループのライブやイベントに行ったり、スイーツ巡りのデートをしたりするような関係に。ここまで来る道のりは平坦ではなく、夫婦でもいろいろ話し合いましたし、悩みも尽きませんでしたが、葛藤した分だけ、親として少しは視野が広くなった気がします。今は私がガミガミと言っても仕方ないと思い、娘のことを多少は放っておいて待てるようになりました。 ― 30代半ばで出産すれば、更年期が子どもの思春期に重なることもあるはず。自分も子どもも不安定なホルモンバランスに翻弄され、人知れず苦しんだり、お互いを傷つけることもあるかもしれません。それでも心を開いて気持ちを理解するように努力できれば、櫻井さんが言うように「それが自分自身の成長に繫がることもあるかもしれない」のです。 体にいいことなんてほぼしていなくて(笑)、ルーティンといえばお風呂上がりのストレッチくらいで、逆に家族からやめた方がいいと言われる「夕飯後にお菓子を食べちゃう」のが習慣。 ですが、ストレスを感じることならやらない方がいいし、やりたいことを無理にやめなくていい、と思っています。これからも言いたいことは溜め込まずに、ちっちゃなことで家族と喧嘩しながら、何かあったらママ友に話してデトックスして、風通しのいい心持ちで過ごしていけたら、きっといい50代が過ごせる気がします。 撮影/田頭拓人 へア・メーク/佐藤トモコ スタイリスト/斎藤真喜子 取材/柏崎恵理 撮影協力/リストランテ アクアパッツァ ※情報は2024年8月号掲載時のものです。 〈TOP写真〉トップス¥36,300ワークワイドパンツ¥39,600(ともにグレースコンチネンタル/グレースコンチネンタル 代官山本店)ネックレス〈ローズクォーツ〉¥88,000ピアス〈ローズクォーツ〉¥110,000ブレスレット〈イエローゴールド〉¥93,500(すべてマリハ)サンダル¥22,000(GAIMO/ダニュウ)〈末尾写真〉ワンピース¥41,800(VERMEIL par iéna)ピアス〈ムーンストーン〉¥159,500(マリハ)