体調不良で勤務先のレストランに休みたい旨を伝えたところ「代わりを探すなら休んでいい」と言われました。本当に私が探す必要があるでしょうか?
「体調を崩してしまいどうしても出勤できない」という事態は、誰にでも起こるでしょう。勤務先に連絡した際に「代わりを探すなら休んでいい」と言われた場合、どうすればよいのでしょうか。 急な欠勤は周囲に迷惑がかかると考え、自分で代わりを見つけなければと責任を感じてしまう方もいるかもしれません。 この記事では、当日になって欠勤する場合、勤務先の人が言う通りに代わりの人員を探す必要があるのかについて解説します。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
体調不良で仕事を休むと、どれだけの賃金を失う?
厚生労働省によると、東京都の最低賃金は1113円です。一日8時間働いた場合、それだけで8904円の損失が生まれてしまうことになります。店側にとっても、労働力が一人分減るわけですから、その分店のパフォーマンスが落ち、その日の売上が低下する可能性もあります。そのため、「代わりを見つけて欲しい」との要望がでたのでしょう。
「代わりを見つけて」と言われても探す必要はないケースがほとんど
正社員はもちろん、アルバイトやパートなどを含む労働者は、職場と労働契約を結んでいます。 労働契約を結んでいる場合は、会社は業務遂行のために労働者に対して指示または命令を行える業務命令権を持っています。 業務命令の内容は「出勤時刻を守ること」「残業の指示」「職種や勤務場所の変更」などさまざまです。「代わりを探すなら休んでいい」という発言も、業務のために必要な命令と感じ、従わなければならないと思ってしまう方もいるかも知れません。 しかし労働契約法の第五条では、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」としています。 つまり労働者へ「代わりの人員を確保しなければ休めない」と思わせるような指示は、労働者の安全を守れているとは言えない可能性があるのです。 また、代わりを見つけられない事を理由に、体調不良にもかかわらず出勤を強要する職場の指示も、違法にあたる可能性があります。なぜなら、体調不良のまま出勤した労働者が、業務中に体調が悪化する、ほかの労働者へ病気を移してしまう、といった可能性があるためです。