「そんなことも知らないのか」部下女性への性的暴行で起訴された元大阪地検トップ(65)が女性記者に発揮していた“上から目線”の正体
北川被告は検察を退官した後、大阪府警が手がける事件の弁護人などをしていたが、そこでも古巣への“気遣い”をしていたという。 「容疑者が容疑を否認している場合は依頼を受けないと言っていました。理由は『検察と闘うような事件は受けない。真っ向勝負は嫌だから』。検察組織への愛着は強そうでした」(女性記者) 被害を主張するA子さんは11日の会見で、北川被告だけでなく「もう1人のキーマン」に対しても怒りを爆発させた。歩けなくなったA子さんを北川被告と2人でタクシーに乗せた女性副検事だ。 A子さんによればこの女性副検事は、A子さんが弁護士である北川被告に検察側の捜査情報を漏らしたり、今回の被害の訴えが嘘ではないかという噂を職場で広めたりしたという。A子さんは女性副検事を国家公務員法違反や名誉毀損などの疑いで大阪高等検察庁に刑事告訴・告発し、受理されている。 A子さんと副検事はもともと「ランチもする仲」だったが、「副検事に貶められるような原因で思い当たることは?」と筆者が尋ねてもA子さんも理由がわからないようだった。 「北川被告は自分の人脈を自慢するタイプで、退官後も現役検事らと飲んでいることや、検察に大きな影響力があることを誇っていました。記者界隈では、女性副検事がA子さんを批判したのは、北川被告への援護射撃だったのではと言われています」
「私は検事です。検事として正しいことを貫きたい」
A子さんは会見で、告発に踏み切るまでのためらいと現在の心境を改めて語った。 「痛みをこらえながら、自分一人で抱えて我慢すればよかった。そうすれば、家族を苦しめることもなく、検事としてのキャリアを失わずに済んだ。一生懸命仕事をしている職員に、悲しい思いをさせることもなかった。信じていた同僚から裏切られ、信じていた元上司らから誹謗中傷され、検事総長らから疎まれることもなかった。私は自分の恥を晒しただけで、大切なものを全て失ってしまった」 そして最後に「私は検事です。検事として正しいことを貫きたい」と決意を新たにしていた。 検察官らしく、法的な枠組みなどを理路整然とした口調だったが、最後に代理人がSNSなどで寄せられた励ましの言葉を紹介すると再び涙があふれ、タオルで顔を覆った。 この事件は裁判員裁判に付されるが、A子さんは被害者参加制度を利用し、法廷で北川被告に直接質問することを求めているという。
粟野 仁雄
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