抜群のライド感でシートベルトがほしい!?『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』4D上映で“ソニックスピード”を体感してみた
近年、IMAXと並んでラージフォーマットの上映形式としてすっかり定着した4D上映。1度体験すればその没入感の高さによってワンランク上の映画体験をできるのだけれど、実はまだ未体験という人も少なからずいるはず。その「いつかは4D上映で映画を観てみたい」と思っている人にこの冬オススメしたい作品が、『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』(12月27日公開)だ。 【写真を見る】4D上映の来場者特典として、『AKIRA』も彷彿とさせる「シャドウバイク 豪華キラステッカー」がもらえる! ひと足先に公開された全米では、事前予想を大きく上回り、あの『ライオン・キング:ムファサ』(公開中)を超えるNo.1メガヒットを記録している本作は、日本のゲームメーカーのセガが世に送り出し、世界的に有名になった高速で走る青きハリネズミ、ソニックを主人公とした映画シリーズ最新作。ソニックと一体になったかのような疾走感で、まるでテーマパークのアトラクションのような没入体験のできる4D上映を、ひと足先に体験!その魅力を劇中の見どころと合わせて解説していこう。 ■“疾走感”に“浮遊感”に“パワー”!キャラクターに合わせた4D演出で物語を盛り上げる 4D上映の最大の特徴と言えば、劇中のシーンに合わせてシートが動き、風や水、ストロボやスモークなどの体感的な演出が加わることで、映画への没入感を高めてくれるところにある。音速で走るソニック(声:中川大志)以外にも、“チームソニック”のメンバーとして、空を自在に飛ぶことができるキツネのテイルス(声:広橋涼)、脳筋で突っ走るハリモグラのナックルズ(声:木村昴)が登場。劇中ではそれぞれの異なる能力を駆使したアクションシーンも盛りだくさんで、彼らの活躍を4D上映で味わう…と想像するだけでもすでに「楽しそう」と思えるわけだが、本作の4D体験のなかでは序の口でしかないのだ。 では早速、劇中の4D演出が冴えるポイントを紹介していこう。物語の冒頭は、東京湾に浮かぶ島に作られた収監施設からスタート。ソニックそっくりのハリネズミで危険な力を持つシャドウ(声:森川智之)が、50年にわたってコールドスリープされてきた。しかし、その警備システムに何者かが侵入して、厳重に囚われていたシャドウを解放してしまう。 ここで、シャドウと収監施設の警備員のバトルにいきなりなだれ込むわけだが、4D演出の視点はシャドウではなく、まさかの攻撃に翻弄される警備員側!高速移動するシャドウは、画面前方のフラッシュ演出でさらに瞬間移動しているかのように見え、警備員たちはシャドウを捉えきれずに倒されていく。警備員たちの状況やダメージは、シートに設置された振動効果を交えて、ボコボコにされている感も味わえる。シャドウの持つ圧倒的な強さを全身で体感できてしまうのだ。 続くシチュエーションは、うって変わって、チームソニックの3人による森林地帯を駆け抜けるスピード競争。音速を身体で感じられるソニック視点の軽快な疾走感、テイルスの浮遊感、ナックルズのソニックの重厚なスピード感がシートの動きや風の演出によって加味され、上映開始と同時にすっかりこの世界観に没入できてしまう。 ■渋谷、新宿、スカイツリー…シャドウがバイクで東京を激走! 連続したオープニングシークエンスだけで、すでに没入感たっぷりだが、畳みかけるように訪れるのは、大きな見せ場となる東京の街並みを舞台にしたバトルだ。収監施設から脱走し、渋谷の街に姿を現したシャドウ。劇中で世界的な脅威に対しての危機管理を行う軍事組織G.U.Nに助力を求められたソニックたちも、シャドウを捕まえるために渋谷へと向かう。 日本人にとっては見慣れた場所であり、いまや世界的にも日本を代表する風景となった渋谷駅前のスクランブル交差点で対峙する形で、チームソニックとシャドウの間でバトルがスタート!驚異的なスピードでナックルズをあしらい、スピードでソニックを上回る実力を見せることで、シャドウの持つポテンシャルの高さと強さを見せつける。ここでもシートの動きと振動効果によって、攻撃を受けるソニックやナックルズのダメージがダイレクトに伝わってくる。 続いて、勝利を確信し、その場からバイクで去ろうとするシャドウをソニックがお得意の超高速で追いかけるというスピードバトルで第2ラウンド開始。“音速バトル”と言えるほどのスピード感で新宿をはじめとした東京都内をバイクで走るシャドウ。この追跡劇は、シャドウとソニックの視点に合わせてシートが激しく動き、「ライドアトラクション」でも体感したことのないような激しさを表現。馴染みのある街並に日本人だからこそ感じられる没入体験も加わり、最終到達点となる東京スカイツリーまでの激走は、4D上映ならばその楽しさをマシマシで味わうことができるはずだ。 ■シャドウの悲しい過去…4Dのライド感が絶妙にドラマを盛り上げる その後、チームソニックだけでは太刀打ちできない強敵のシャドウを追うため、かつてのソニックの宿敵であるジム・キャリー演じるドクター・ロボトニック(声:山寺宏一)と協力関係を結ぶ。共にシャドウの過去を探るなかで、ロボトニックは自分の祖父であり、ジム・キャリーが一人二役を演じるジェラルド(声:山寺宏一)と再会し、ジェラルドはシャドウの能力を用いることで産み出すことができた超兵器の開発に関わっていたことも明らかになる。 物語は、「ソニックの影とも言えるシャドウの抱える悲しい過去」、「ロボトニックと瓜二つの姿で、とある復讐に囚われ超兵器の起動に執念をもやすジェラルド」という、よく似たキャラクター同士をコインの裏表として描くような展開へと発展。バトル一辺倒な展開だけでなく仲間や家族との関わりの大切さも語られていき、前半は圧倒的なアクションで引き込み、その後勢いを殺さずに深みのあるキャラクタードラマへと移行する流れも、4Dと相性の良い構成になっていると言えるだろう。 というのも、4D上映はその性質上アクション演出に偏ってしまうため、人間関係が複雑なドラマや物語には、鑑賞に集中ができなかったりと相性が悪い場合もある。しかし本作はシンプルで含みのある人物描写と絶妙なストーリー構成で、ライド感も絶妙なバランスでプラスに働き、物語を楽しませてくれるよう作用している。 ■終盤はクライマックスの連続!4D演出も宇宙規模の激しさに… こうして終盤パートへと突入すると、物語とバトルのスケール感がさらにパワーアップ。地球内どころか宇宙空間を股に掛けた戦いにまで拡大していく。ソニックとシャドウの再戦では、ふたりの高速バトルのさらに磨きがかかり、4D演出もさらに激しさを増していく!シリーズとしては初となる宇宙空間での無重力バトルも披露され、それまでの高速バトルとは異なるシートの動きで、スピード感に加えて浮遊感までも体感できてしまう。 アクションシーンが「これでもか!」とテンコ盛りの本作は、4D上映の要ともいえるシートの稼働演出パターンも多彩であり、1作品のなかでこれだけの動きを味わうことができるというのは4D体験としてはお得なポイントだと言える。こうした4D上映だからこそ映えるアクションシーン以外にも、東京が舞台となるからこそのコメディネタやシチュエーション、一人二役で見せるジム・キャリーのノリノリのギャグシーン、日本のアニメ作品をリスペクトした画作りなど、映像としてのバラエティ豊かさ、そして実写の出演陣とCGキャラが一緒になりながらも違和感がない映像クオリティも含めて、家族や友人と一緒に気軽に楽しめる一作となっている。 さらに4D上映の限定特典として「シャドウバイク 豪華キラステッカー」も数量限定配布!日本限定の入場者特典である本作の前日譚を描いた特別漫画冊子も同じく数量限定で配布されてるので、鑑賞後にさらに本作を楽しむのにもってこいだ。年末年始は、ちょっと過激なライドアトラクションを楽しむつもりで、ぜひ4D上映でソニックたちの高速バトルを楽しんでみてほしい。 文/石井誠