スキージャンプ・葛西紀明が鮮やかに飛び続けられる理由。「体脂肪率5パーセント」を維持するレジェンドの習慣
レジェンド流「質の高い休み」とは?
――大会前などはストイックに自分をコントロールしながら、レジェンドはいつも笑顔が印象的です。オンとオフの切り替えは意識されていますか? 葛西:オンとオフは大事にしてきたのですが、今では勝手に自分の脳が切り替わるようになりましたね。だから、人よりは疲れにくいと思います。 ――休みをより質の高いものにするためのアドバイスはありますか? 葛西:仕事のことは一切考えないことです。僕の場合はジャンプのことは、ジャンプ台に行った時以外は一切考えないですね。ただ、オフの日も何かしていないとジャンプのこと考えてしまうので、ショッピングをしたり、おいしいご飯を食べに行ったり、温泉が好きなので、温泉に浸かって「はぁ~」とリラックスします。 趣味でゴルフやテニスをやっているのですが、球技も好きですね。バスケットボールやバレーボール、バドミントン、スカッシュなどは好きですね。そうやって体を動かしながらも、脳をリフレッシュさせることが大事だと思っています。 ――脳をリフレッシュすることが一つのポイントなのですね。 葛西:みんな「疲れた」ってよく言いますよね。でも、実は体ってそんなに疲れていなくて、実は脳が疲れていると思うんです。脳が「疲れた」と感じると、体も疲れていると錯覚してしまうんです。だから、脳をリフレッシュして休ませることで、「よし、仕事頑張ろう!」と前向きになれるような休み方をしてほしいですね。 <了>
[PROFILE] 葛西紀明(かさい・のりあき) 1972年6月6日、北海道下川町出身。小学3年生でスキーを始め、1992年のアルベールビル五輪に19歳で初出場し、以後2018年平昌大会まで、オリンピック8大会に出場。オリンピック最多出場のほか、ワールドカップ個人最多出場、ワールドカップ最年長優勝、冬季五輪ジャンプ最年長メダリスト、ノルディックスキー世界選手権ジャンプ最多出場と、5つのギネス世界記録を保持。2009年からは所属の土屋ホームで選手兼監督として戦い、自身も記録に挑み続けている。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]