美味しさとエンターテインメント性が融合!「ステーキのあさくま」人気の秘密とは
名古屋発祥のステーキ店として全国に65店舗以上展開する「ステーキのあさくま(以下あさくま)」。ステーキチェーンの先駆者的存在「あさくま」には根強いファンからファミリー層まで幅広く人気があります。 今回は「美味しい」はもちろん「楽しい」も味わえるあさくまの人気の秘密に迫ります。
あさくまの歴史
創業者の近藤誠司さん(以下 近藤さん)は愛知県出身。 高校卒業後、日本料理店を経営していた父の影響から名古屋の料理店で2年間修業。その後、1962年 現在の愛知県日進市に「ドライバーズコーナーキッチンあさくま」をオープン。 低価格で美味しいステーキを提供するあさくまは、日本で初めて「郊外型レストラン」を展開したと言われ飲食業界に衝撃を与えました。 一時は100店舗以上に拡大したものの経営危機に陥り、30店舗まで縮小した苦しい時期を経験します。しかし2006年に中古厨房機器の販売や飲食店の経営支援を手がけるテンポスバスターズ(現テンポスホールディングス)と資本提携し、2011年には黒字復帰を果たしました。
シズル感と美味しさを追求して考案された「ペレット」
お店でハンバーグやステーキを注文した際、鉄板の上にのっている熱々の鉄に肉を押し付けて焼いて食べた経験はないでしょうか。今やファミリーレストランやハンバーグ・ステーキ専門店などでよく見る「熱々の鉄の塊」は「ペレット」と呼ばれ、実は近藤さんが考案したものなのです。 その始まりは、近藤さんがお客さんから「レアの焼き加減を注文しても食べ進めるうちに鉄板の熱が伝わり、後半にはミディアムの状態になる」との意見を聞いたことがきっかけ。「鉄板に熱した鉄を添えることで、自分で焼き加減を調整できるようにしてはどうか」との発想から誕生しました。 自身でカットしたステーキをペレットに押し当て、焼き加減をお好みで調節できるそのアイデアは、実用性はもちろんのことお客さん自身が料理を仕上げるというエンターテインメント的な側面もあって大ヒット。次第に全国へと広まっていき、今やペレットは鉄板にのったハンバーグやステーキにとって、欠かすことができない「テッパン」となっていますよね。