FANTASTICS世界×新條まゆ「2次元は3次元に負けちゃならない」 “セオリー無視”『BATTLE OF TOKYO』の虚構とリアル
――新條先生はもともと『BOT』が大好きだったとのことですが、いちファンからみた『BOT』の魅力ってどんな点ですか? 【新條】ライブを観にいったら『スター・ウォーズ』だったんですよ。最初、スクリーンにダーってストーリーが流れてきて、でもそれって普通に考えたらエンタメ界で『スター・ウォーズ』にしか許されない演出。パフォーマンスでもAstro9(FANTASTICSをモデルとした作中のグループ)を演じていたと思ったらFANTASTICSに戻っていったり…、“なんでもあり”感が面白いんです。芸能界、音楽業界広しといえど、こういう力技ができるのはLDHだけですよ。ただただ、「すげえな」と。 【世界】作ってる側としてもその感覚めちゃめちゃありますね。それこそ僕らのライブを観たことない他グループのファンたちも『BOT』だとライブ会場の中でミックスされるんですよね。小説を1巻も読んでない人も、アニメにそこまで興味がなかった子も来るなかで、こういうものをその人たちに向けてやるって、考えてみたらとんでもないことですけど、でも、ついてきてくれるから、本当凄いしありがたいなと思いますね。 ――今回の展覧会は“拡張”が一つのテーマになっています。『BOT』が今後、2次元好きの人がリアルなライブに足を運ぶ場になったり、その逆があったり、ファン層が拡張されていくといいですよね。次元を超えて沼ってもらうコンテンツになるために、今後どんな仕掛けがあったら面白いと思いますか? 【世界】この2人はなかなかに発言力を持っちゃってるんでね…いや冗談です(笑)。でも、新條先生にライブ観に来て頂いた時に僕から必ず感想聞くんですけど、的確なアドバイスとぶっ飛んだアドバイス両方頂くんですよね。 僕も『BOT』のコンテンツを作る側の一人ではあるので考えてみるのですが、この先もっとバーサス(VS)構造を見てみたいっていうのはありますね。今の段階では(キャラクターが)一人ひとりなので、誰かと誰かが戦っているような展開を漫画家さん、イラストレーターさんに描いていただくとか。夢のような話ですが。そういった展開をイラストなどで表現できたら、それを僕らはライブでできますし、創作と現実がリンクするものをやれたらと思っています。 【新條】私は、2次元は3次元に絶対「負けちゃならねえ」と思ってるんです。どんなにファンの方に「顔が違う」「実際はこんなことしない」などと言われても、やっぱり「新條まゆが描いた方がカッコいい」って言われないと、それは負けだと思ってる。3次元は良きライバルだし、そういう点では今回のイラストもある意味“リスペクト禁止”と思ってやりました。 例えば、クリエイター側がライブを見て「悔しい! 漫画が負けてんじゃん」と刺激を受けたり、そこのバトルというか、“2次元 VS 3次元”みたいな形で互いに高め合っていけたらいいですよね。 あと、私としてはグループの“シャッフル”が見てみたいかな! 例えばボーカルだけ集めたりとか。スケジュールが難しいかもしれませんが(笑) 【世界】でも、先に2次元の方でシャッフルしてもらったら、逆にこっちのスケジュール空けるしかない!ってなるかもしれないですね。