FANTASTICS世界×新條まゆ「2次元は3次元に負けちゃならない」 “セオリー無視”『BATTLE OF TOKYO』の虚構とリアル
――ありがとうございます。今回の企画展のお話も聞かせて頂きたいのですが、新條先生は吉野北人さんを描かれていて大変な力作に仕上がっています。今回のオファーに対してはどんなモチベーションで臨まれたのですか? 【新條】私、もともとEXILE TRIBEが大好きだったので、『BOT』もよく知っていて。なので、お話を頂いた瞬間、食い気味で「描きます!」って引き受けてました(笑)。でも、フタを開けてみたら漫画家よりイラストレーターさんが多くて、しかもめちゃめちゃ有名な方ばかり。資料送られてきて震え上がっちゃって…。早くも断りたくなってしまいました。 ――先生ほどの方でも戦慄された、というのが意外ですね。以前、別の対談で「吉野北人さんの顔になりたい」ともおっしゃっていましたが、実際描くにあたっての思い入れや注力された点は? 【新條】イケメンを描くことがとても好きなのですが、今回に関して言うと、顔が命ではあるのですが、なるべく全身がわかるようにというリクエストだったためものすごく(顔を)小さく描かないといけなかった。なので、イケメン具合をほぼポージングで表現するように意識してますね。 ――世界さんは、実際の吉野さんと先生が描かれたイラスト、見比べていかがですか? 【世界】いや、どっちもかっこいいんですよね。「新條まゆが描いた吉野北人」、になると顔の良いところがより濃く出てる感じはすごくします。顔もですけど、ポージングも含めてですよね。多分、北人が普段あまりやらないポージングなんですよ。ただ、やってみたら似合うっていう、新しい見え方がしました。 ――下からのアングルで捉えてる感じもカッコいいですよね。 【新條】やっぱり脚が長く見えるんですよね。あとは、“ザ・イケメンポーズ”にしようと思ってました。ひねったポージングは他の方がやってくださるだろうと思ったので。 ――今回イラストに関しては、音楽ジャンルとリンクしているという点で、やはり新條先生の『快感▽フレーズ』(▽=ハート)を思い起こしてしまうのですが、音楽アーティストのイケメン表現において、特段こだわりや大切にさせていることってあるのでしょうか? 【新條】やっぱり、衣装なんですよね。『BOT』も元々の衣装というのがあるんですけど、今回これを描く前に、「衣装変えていいですか?」って聞いたんです。そうしたらOK頂いたので衣装をガラッと変えました。イケメン、特に若いアーティストだとなるべく体のラインが出る服を着せたいんです。20代で一番体も美しい時期だから、なるべく体の線を見せたいというか。 ――ちなみに、ワインレッドのシャツとライダースの組み合わせっていうのは、すぐインスピレーションとして出てきたものですか? 悩まれましたか? いや、あまり悩んでいなくて。例えばジャケットを着ると体のラインが出なくなるし、でもTシャツだとキャラとして少し違う。だから、シャツにしたんですけど、本当はこのシャツも、こう、全体的にはだけさせたかったですけど…(笑)。