【ボートレースコラム】フライング後のリポート公開を願う
レーサーなら誰だって勝ちたいし、一つでも上の着が欲しい。そんな勝利への欲求が時にフライングにつながってしまう。フライングを切った選手は必ずリポート(反省文)を競技本部内で作成する。われわれ記者は、そのリポートを書き終えて、気持ちを落ち着けた後に声をかけるのが一連の流れだ。 このリポートは内部文書の扱いとなるため、一般には公開されない。しかし、レース場によっては参加選手への注意喚起という意味合いでピット内で掲示されることがある。風の変化、潮の流れを読み切れなかった、あるいは勝ちたい気持ちを押さえられなかった…など理由はさまざま。選手がどういう心理状況でレースに臨んでいたのかをうかがい知ることができる。 ただ、目にするたびにいつも思う。これを一番見たいのは舟券を買っていたファンではないかと。そこで一つ提案。SG、G1戦の準優以上など注目度の高いレースでフライング事故があった場合、このリポートを公開してはどうだろうか。舟券を返還して終わりでは味気ない。これから先、ファンに納得して舟券を買ってもらうためのサービスは怠ってほしくない。(鳥飼祥平)