[山口県]岩国市「イロハーブ」リニューアル 緑の憩い、創作拠点に
岩国市由宇町の住宅メーカー、ネストハウス(石川貴大社長)が、住宅展示場を中核にした本社敷地内の複合施設「イロハーブ」をリニューアルした。周囲を山々に囲まれた約6600平方メートルの敷地に植栽を増やし、芸術家が長期滞在して創作活動に取り組む後押しをするなど、人との出会いから新たな活力が生み出る場所であってほしいとの願いを込めた取り組みだ。 イロハーブは2016年にオープン。石川社長によると、町には海水浴場の美しいビーチや山々の自然に恵まれ、広島東洋カープの2軍球場があるのに年間を通じた観光客が少ないと感じ、これまでマルシェなどを随時開催してきたイロハーブに新たな機能や魅力を持たせることを発案した。 同社は自然素材を生かした住宅建設をしており、周囲の景観に合うようにコナラなどの樹木を増やした。中庭には小高い山を造り、子どもたちが遊んだり、来場者が腰を下ろして休憩できたりする空間を演出した。 目玉は全国の芸術家が展示用住宅に長期滞在して、生活しながら周囲の自然を刺激にして創作活動をしてもらう「ゆうまちアートプロジェクト アーティスト・イン・レジデンス」事業だ。第1弾として4月27日から神奈川県の染色美術家、山本愛子さん(32)が絹などを草木染した作品を展示場やカフェなどに展示。旗状の飾り「ガーランド」を作るワークショップも行った。作品展示は7月29日までで、今後、さまざまな芸術家に声をかけて地元住民たちと交流する機会も設けたい考えだ。 改装記念のキックオフイベントには約300人が足を運んだ。石川社長は「由宇地域に人が集まることができる一つの仕掛けが完成した。一企業だけでは活性化はできないので、ここに多くの人が集い、刺激や新たな魅力が生まれてほしい」と期待感を示した。