「(田中)将大、初の挫折。あいつも人間でしたね」楽天OB山崎武司が巨人入団の後輩にエール「中日・松坂大輔と重なる」「今ならセの方が」
巨人入団報告の電話…過去2回と全然トーンが
山崎氏が田中から3度目の電話を受けたのは、12月24日だった。「巨人に入団が決まりました」。その声は、それまでの2度の電話とトーンが全然違ったという。 「声のトーンから安心感が伝わってきました。今季はけがから明けて何もできずに終わりました。まだ自分はできるのか、もう終わりなのかを試すチャンスがほしくてモヤモヤしていたと思います。右肘が治っているのに打者を抑えられなかったらあきらめがつきます。結果を残せば、まだまだできると自信を取り戻せます。全ては来季、伸るか反るかの勝負になると将大も当然分かっています」
初めての挫折…あいつも人間でしたね
田中は崖っぷちから再び輝きを取り戻せるのか。「もう終わった選手」と揶揄されてから楽天で7年、さらに中日で2年と44歳まで現役を続けた山崎氏は自身の経験を踏まえて、こう話した。 「自分が復活できたのは失うものがなかったから。将大も状況は似ていると思います。ダメなら引退すると腹をくくれると意外と体が動くし、人の話にも素直に耳を傾けられるようになります。将大も1年、2年と言わずプレーしてほしい。楽天で一緒だった頃は私を超えるくらいまで現役を続けたいと言っていましたから。まだ8年、9年足りないぞと伝えたいですね」 田中から楽天退団の電話を受けて1カ月。巨人入団の報告を受けた山崎氏は「プレーする場所がない現実は、将大にとって初めての挫折と言えます。一皮むけるんじゃないですか。超スーパースターのままで終われなかった。あいつも人間でしたね」と笑った。 チームメートとして、ピンチでの強さや周りの想像を超える結果を何度も目にしてきた。かわいい後輩の底力を信じている。
ライデル、甲斐…巨人大型補強へのホンネ評価は?
田中だけではでない。 4年ぶりにリーグ優勝を果たしたものの、日本シリーズ進出を逃した巨人が今オフの主役となっている。12月24日、楽天を自由契約となった田中将大投手の獲得を発表。その8日前の16日には、中日を自由契約となっていたライデル・マルティネス投手と4年契約を結んだと公表した。 自由契約となった選手だけではなく、巨人はFA(フリーエージェント)戦線でも積極的に動いている。阪神・大山悠輔内野手、ソフトバンク・石川柊太投手の獲得には失敗したが、ソフトバンク・甲斐拓也捕手とは5年の大型契約に至った。 チームの柱、菅野智之投手をメジャー移籍で欠くとは言え、巨人は現有戦力でも他球団より頭1つ抜けているように見える。それでも山崎氏は、巨人の大型補強について「大金を使っただけの補強にはなっていない」と指摘する。その理由とは――。〈つづく〉
(「プロ野球PRESS」間淳 = 文)
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