最新作にして集大成『トラップ』が公開間近! シャマラン映画になぜ惹かれるのか?
M・ナイト・シャマラン監督の最新作『トラップ』が10月25日(金) から公開になる。シャマラン監督はこれまでにも多くのヒット作を世に送りだしており、本作にも大きな注目が集まっている。 映画『トラップ』場面写真 M・ナイト・シャマランは1970年生まれの映画監督。『シックス・センス』や『サイン』『ヴィジット』など次々と新作を発表。近年も精力的に活動しており、2021年には登場人物が急速に老いていく奇妙な時空間を描いた『オールド』を、2023年には『ノック 終末の訪問者』を発表した。 振り返れば、シャマランは約四半世紀に渡ってペースを落とすことなく活動を続けている。どの監督作も自ら脚本を手がけ、ほぼ2年に1作のタイミングで新作が届く。どんなに映画界が変化しても、映画館に通っていれば必ず出会う男、これだけ映画をつくっても“驚きのタネ”が尽きない男、それがM・ナイト・シャマランだ。 一方で彼の作品は、サプライズと同じぐらい人間ドラマに力が注がれている。日本では劇場未公開の監督第2作目『翼のない天使』は、愛する祖父が天国にたどり着いたかどうか確かめるために奮闘する少年の物語。『サイン』は愛する妻を失って牧師を辞めた男が周囲で起こる異変に立ち向かう姿を描く。 シャマラン映画は設定が面白く、ユニークな展開に思わずワクワクしてしまうが、多くの作品で喪失を抱えた主人公のドラマが描かれる。目の前の謎よりも、登場人物の内面の方が謎に満ちていると感じるかもしれない。 間もなく公開になる『トラップ』は、ライブ開催中の巨大アリーナにやってきた切り裂き魔の主人公クーパーが、ライブ会場という罠=トラップから抜け出そうとする物語が描かれるが、劇中では主人公の来歴が物語を語る上で重要な役割を果たしている。なぜ、彼は恐ろしい殺人者になったのか? なぜ彼は惨殺を繰り返す一方で、娘を愛する心優しい父親でいられるのか? 主人公クーパーの内面を超える謎はない。本作は“驚き/サプライズ”の側面でも、“謎に満ちた人間描写”の側面でも、シャマラン映画の集大成的な1作になっている。 <作品情報> 『トラップ』 10月25日(金)公開