パレスチナ自治区ガザで、イスラエル軍の攻撃で亡くした親類を悼む人々＝11日（AP＝共同）

　【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を強めるイスラエル軍は11日、ガザ北部の複数の病院付近でイスラム組織ハマスと激しい戦闘を続けた。イスラエルのネタニヤフ首相は同日の記者会見で「ハマスはガザ北部での支配を失った」と指摘した。「停戦はハマスに屈することだ」と強調し、国際社会で高まる停戦要求を改めて拒絶した。 　イスラエル軍は中心都市ガザ市のシファ病院の地下にハマスが司令部を置いているとみている。軍のハガリ報道官は「軍が病院を包囲したというのは間違った情報だ」と述べ、ハマス戦闘員と病院周辺で戦っていると主張した。 　シファ病院はガザ最大級の医療機関。アブサルミヤ院長は中東の衛星テレビ、アルジャジーラで「保育器に近づこうとした医療スタッフが撃たれて死亡した」と指摘。病院にいたガザ保健当局幹部は「集中治療室にも砲撃があった」と憤った。 　他の病院もイスラエル軍の攻撃にさらされている。パレスチナ赤新月社は、ガザ市のアルクッズ病院が軍に囲まれ「戦車が20メートル先に迫っている」と訴えた。