万博会場への足、時差出勤で混雑緩和…メトロ沿線協力企業は目標をはるかに下回る
2025年大阪・関西万博の期間中に地下鉄の混雑緩和を図る「交通需要マネジメント(TDM)」が9~10月に試行された結果が23日、公表された。沿線で働く人に時差出勤などを呼びかけた結果、万博会場への主要な交通手段となる大阪メトロ中央線で、朝のラッシュ時の混雑率が最大12ポイント緩和された。大阪府などは本番に向け、更なる協力を呼びかける。
万博期間中は1日最大22.7万人が来場し、半数以上が大阪メトロ中央線を利用すると想定されている。何も対策を取らなければ、朝のラッシュ時の混雑率は、通常の70%の2倍となる140%に上る見通し。府や大阪市、日本国際博覧会協会は、沿線企業の従業員らに時差出勤や在宅勤務を促し、120%まで抑える目標を立てている。
TDMは府などが実施し、9月30日~10月4日(いずれも平日)に試行された。中央線や御堂筋線で午前8~11時の利用を避けるよう呼びかけ、府市の職員らも7割以上が協力。結果、最も混雑が予想される弁天町―朝潮橋間の午前8時台の混雑率は、試行期間の2週間前に比べ、6~12ポイント低くなった。
一方、TDMの協力企業は、目標の1万事業所に対し、約1600事業所(19日現在)にとどまっており、府などは今後、広告を増やすなどして周知する。