迫力と見やすさで「テレビの常識」を変える? レグザから110V型や85V型など新型4K液晶テレビが続々登場
2023年末に100V型という驚きの大画面4K液晶テレビ『100Z970M』を発売して話題を集めたTVS REGZAが、大画面テレビのラインナップを拡大する。2024年11月20に発表されたのは画面サイズがさらに大きくなった110V型の『110Z990R』と、2023年度より価格ダウンした100V型『100Z770N』と85V型『85Z770N』、そして85V型で30万円台を実現した『85M550N』という品揃えだ。 【写真】110V型の超大型サイズも投入 開催された説明会では、TVS REGZA株式会社 取締役副社長の石橋泰博氏から、同社が目指す大画面ライフスタイルについて紹介された。昨年の『100Z970M』は同社の予想を超える反響があったそうで、想定以上の販売台数を達成したという。そこではユーザーから、「大画面は見やすい! よく見える!」という感想も届いたとのことで、レグザではこれをキーワードとして大画面の楽しさをアピールしていくという。 またこういった大画面へのニーズはグローバルでの流れで、ハイエンドテレビに限らず、もう少しお手軽な価格帯でも需要があると考えた。こういった市場からの要求・要望を受けてレグザでは、大画面テレビでの選択肢を広げるべくラインナップを強化したとのことだった。 ■声優の小岩井ことりが、画面サイズによる迫力の違いを体験 といっても実際に50V~65V型と、今回発売される85V型や100型ではどれくらい印象が違うのだろうか? そこについて、レグザ公式YouTubeチャンネルに出演している人気声優の小岩井ことりさんが、リアルに体験リポートをしてくれた。 レグザでは今回の新製品発売に合わせて、同じ映像をサイズ違いで見比べられるコンテンツを制作している。これを100V型モデルで再生すると、同じ視聴距離で55V型や85V型、100V型でどのように印象が変化するかを体験できることになる(発売後には店頭でのデモンストレーションもあるのだとか)。 小岩井さんは、『100Z770N』の正面3mほどの位置に座ってデモ映像を体験。「普通に考えたら十分大きいはずなんですけど、こうやって見ると55V型でこれか? って思いますね。そこから画面が大きくなってくると、すごく見やすい。大画面って見やすいんですね。これはいいコンテンツですね。すごい体感ができました」と率直な感想を話していた。 ■大画面テレビ購入時に気になる問題を解決 さて、そうはいっても85V~110V型ともなると、購入にあたって色々気になること(購入をためらう理由)もでてくる。レグザではそれらの主要な問題についても回答を用意しており、レグザブランド統括マネージャーの本村裕史氏がその点を解説してくれた。 一番多い質問は「価格が高いんじゃないの?」というもので、最上位モデルの『110Z990R』こそ市場推定価格約550万円(税込)と飛び抜けて高価格だが、その他は『100Z770N』は市場推定価格約88万円(税込)、『85Z770N』も市場推定価格約48万4000円(税込)という価格帯を実現している。『85M550N』は市場推定価格約35万2000円(税込)と、まさに“頑張れば手の届く大画面”を実現している。 続いてよくある質問が、「電気代が高いんじゃないの?」だそうだ。ここについては昨年春に発売された『65Z970M』との比較として、85V型に交換した場合1ヵ月で190円、100V型でも約340円のアップに収まるそうだ(1日約5.1時間視聴した場合で、電気料金を31円kWhで試算)。これくらいの差額で毎日迫力ある映像が楽しめるのであれば、納得という方も多いことだろう。 最後は「我が家には大きすぎるんじゃない?」という心配だが、本村さんによると、この点については視聴距離で考えて欲しいとのこと。4Kテレビで精細感と臨場感をもっとも楽しめる視聴距離は、画面の高さの2.5~3倍だそうだ。この計算でいくと、85V型は約2.6~3.2m、100V型でも約3.0m~が最適値ということになる。つまりテレビ本体の奥行きを含めても4m弱の空間があれば100V型画面が楽しめるということで、最近のリビングであれば広さは充分というわけだ。 もちろん他の家具との兼ね合いもあるだろうし、そもそも『110Z990R』の場合は横幅248✕高さ146.5✕奥行き48.8cm/重さ105kg(スタンド込み、予定)なので、このサイズを運び込めるか(マンションならエレベーターに入るか)といった問題はあるが、部屋の広さという意味ではそこまで心配する必要はなさそうだ。 ■独自のレグザエンジンを搭載し、大画面でも綺麗な映像を楽しめる さていくら画面サイズが大きくなったとしても、そこに再生される画質が悪い(画が粗い)状態では意味はない。レグザではもちろんその点もわかっていて、様々な高画質化技術が投入されている。 トップモデル『110Z990R』では、バックライトにMini LEDを搭載、またバックライトの電流をダイナミックに制御することで高いピーク輝度(5500nits)も実現している。この明るいパネルを使い、さらに約4万分割のエリア駆動を組み合わせることで、液晶テレビながら優れたコントラスト再現を実現したそうだ。なお、この制御は独自の映像エンジン「レグザエンジンZRα」で行っている。 『100Z770N』と『85Z770N』は映像エンジンに「レグザエンジンZR」を搭載、バックライトは同じくMini LEDを搭載する。コントラスト再現には「リアルブラックエリアコントロール」を採用した(エリア分割数は非公開)。『85M550N』も「レグザエンジンZR」を搭載したモデルで、バックライトにはLEDタイプを搭載している。 高画質化技術については、『110Z990R』にはAIが様々なシーンを判別して最適な処理を行う「AIシーン高画質PRO」や、ネット動画も綺麗に再生する「ネット動画ビューティPRO」(他の3モデルは「ネット動画ビューティ」)を採用する。 さらにリビング等で再生されることが多い放送番組についても、「地デジAIビューティPRO」(『110Z990R』のみ。他の3モデルは「地デジAIビューティ」)を投入することで、地デジやBS番組をクリアーに再現してくれる。また同社の画質エンジニアが設定した番組ごとの高画質パラメーター・データベースをクラウド上に置き、視聴時にそのデータを自動的に反映することでさらなる高画質が楽しめる「クラウドAI高画質テクノロジー」にも4モデルとも対応した。 ■ドルビーアトモスサラウンドも楽しめるモデルも準備 画面サイズが大きくなって画質もよくなると、当然ながら音も高品質であって欲しいし、迫力だって欲しくなる。今回は『110Z990R』と『100Z770N』『85Z770N』についてはサラウンドフォーマットのドルビーアトモスに対応、3Dオーディオの効果をテレビだけで再現してくれる。『110Z990R』は20個のスピーカーを搭載した5.1.2chで再生、他の2モデルはサイドスピーカーを使ったバーチャル再生を行う。『85M550N』は2chスピーカーによるステレオ再生だ。 なお4モデルともリモコンに内蔵されたマイクを使って設置された部屋の音響特性を測定、最適な補正を行う「オーディオキャリブレーション」(『110Z990R』は「オーディオキャリブレーションPRO」)にも対応済とのことだ。 ■臨場感のある大画面なら、知らず知らずのうちにのめり込んでしまう 本村さんによると、大画面の魅力は実際に体感するとよくわかるそうで、「例えばサッカーのゴールシーンになると、無意識のうちにテレビに近づいていることがあると思います。これは、ゴールポストがよく見えないから、前に行ってよく見ようとしているからなんです。でも100V型クラスなら、とても見やすくなりますよ」とのことだ。 確かに4Kテレビなら、100V型を超える画面サイズであっても高画質だし、最高の没入感、迫力を楽しむことができるのは間違いない。これまでは100V型画面を楽しむためにはプロジェクターが必要だったが、今回のレグザ新製品なら、明るいリビングで、しかもリモコンひとつで迫力ある大画面が手に入る。家族全員で楽しめる大画面テレビをお考えの方は、85V~100V型も検討してみてはいかがだろうか。放送からネット動画まで最高の環境で視聴できる。
出水哲