【バレー】芝生の上でバレーボール!? 専門学校が主催する大会にビーチのトップ選手も参加「上達につなげてもらえたら」【TSRグラスバレー杯 取材レポート】
新しいスポーツや競技に触れるきっかけや気づきを得るイベントに
大会の会場では試合のほかにも、誰でも参加できるソフトバレーボール体験のエリアや協力企業のエプソン販売株式会社による展示ブースが設けられ、さらにはケーブルテレビのJ:COMも取材に訪れるなど、一つのスポーツイベントとして体裁を成していた。 今回、大会を担当した東京スポーツ・レクリエーション専門学校の鈴木祥矢さん(スポーツイベント専攻4年生)は全日程を終えて、「大きなケガもなく、天候にも恵まれ、参加された皆さんに楽しんでいただける大会にできてよかったです」と安堵の表情を浮かべた。そもそもこの大会は卒業課程の一環であり、下級生も含めた10名の学生たちでプロジェクトを展開。「大会の支援をいただいた企業の方々と一緒になってイベントをつくること自体が初めてでした。連絡の取り方など失礼なこともしてしまっていましたが、そこがいちばんの学びになりました」とこれまでの取り組みを振り返った。
グラスバレーボールというマイナースポーツを実施競技に選んだのは、講師の提案も含め、「バレーボール経験者がいたことに加え、新しいスポーツに挑戦してみることで、僕らにとってもいい気づきがあるのではないかと思ったから」(鈴木さん)。自身は高校を卒業後、それまで励んでいた器械体操から一転、メディア作品や競技団体の体験会を通じてチームスポーツ「カバディ」に出会った。専門学校に通うと同時にプレーヤーとして活動しており、いずれはカバディを体験してもらえるようなイベントを開きたいと考えている。 「今回、グラスバレーボールを採用して感じたことでもあるのですが、新しいスポーツと出会う機会に、受け手側から自発的に触れるのは難しいのだと。そこで、知らない世界に触れて『おもしろかった』と感じてもらったり、ふだん取り組んでいる競技に『こういう要素を加えたらおもしろいんじゃないか』という気づきを体験できるイベントを手掛けたいです」と鈴木さんは自身のビジョンを語った。 グラスバレーボール自体も、インドアやビーチ、それに国際バレーボール連盟(FIVB)がワールドツアーも展開したスノー(雪上)と比べれば、マイナーどころか、実際にバレーボールの競技者の中でも知名度は低いだろう。それでも、ネットとボールさえあればバレーボールはできる、といっそう実感する機会だった。 昨今のバレーボール人気の高まりをさらに押し上げ、競技者を増やす一つのツールとして。芝生の上でボールをつなぐ試合や大会を催してみるのもありかも? ※鈴木さんの「祥」は“示” (文・写真/坂口功将) 【第1回TSRグラスバレー杯2024概要】 主催:東京スポーツ・レクリエーション専門学校 協賛&後援:株式会社ジェイコム湘南・神奈川 町田 川崎局 協力:エプソン販売株式会社 提供:有限会社オフィスプライヤ 企画協力:一般社団法人日本ビーチバレーボール連盟 <参加校> 男子:森村学園高等部(神奈川)、町田高、東京農大一高(東京) 女子:上鶴間高(神奈川)、我孫子高(千葉)、東京農大一高、八王子高(東京)
月刊バレーボール