スポーツカーなみの実力を持つヒョンデ「IONIQ 5 N」は乗る人を楽しませてくれる機能が盛りだくさん
こんなEVならなんとしても乗りたい! そう思わせてくれるのが、「ヒョンデIONIQ 5 N(アイオニック・ファイブ・エヌ)」。大人が5人乗れるパッケージでありながら、静止から時速100kmまでの加速はわずか3.4秒。スポーツカーなみの楽しさが堪能できます。 【気になるハンドルまわりを見る】
ラインナップの頂点スポーツモデル“N”
クルマにちょっと詳しい方なら、アイオニック5と聞いて、ヒョンデが2022年に日本でも発売されたピュアEVと思い付くのでは。今回のモデル、スタイリングといいネーミングといい、似てます。でも、中身はまったく別ものなんです。 IONIQ 5 Nの車名に含まれている「N」はヒョンデのラインナップの頂点に位置するスポーツモデルを意味しています。 パワフルな前後のモーターと大容量バッテリーを搭載したことをはじめ、ボディ剛性とサスペンションの取り付け部の剛性を上げ、車高を落とし、トレッドを拡大し、大容量ブレーキと電子制御サスペンションを取り付け、各所のエアロパーツを装備し、専用ハイグリップタイヤを装着、といったぐあいです。
モーターのメリットを活かしたサーキットセッティング
ヒョンデは、「モータースポーツのDNAをフィードバック」(広報資料)させたモデルとしてIONIQ 5 Nを作り上げたといいます。サーキットを走るための数多くの機能が採用されています。 ひとつは、バッテリー温度のコントロール。熱に敏感な性質のため、走行性能に影響を与える駆動用バッテリー。そこで、走行モードに合わせてバッテリー温度を最適化するシステムを使います。 電気モーターのメリットを活かした機能も多彩です。ひとつは、任意で前後輪へのトルク配分が設定できること。本気でサーキットを攻めようという人なら、100%後輪駆動に固定することも可能です。 EVは、アクセルペダルをオフにすると、運動エネルギーを電気に変換してバッテリーへの充電を行う回生ブレーキ機構を搭載しています。摩擦を使うのですが、その力が大きいと発電量が多くなる一方、ブレーキが強く効く効果をもたらします。 IONIQ 5 Nでは、大きな回生ブレーキを減速のために使います。小さなカーブが連続する個所(サーキットのシケインなど)では、アクセルペダルに載せた足の力を緩めると、最大0.6Gの強力な減速効果が得られます。そこで少し踏めば、また強いトルクで前に進みます。 直線でより強い加速が欲しいときは、ハンドル近くに設けられた「NGB(Nグリンブースト)」なる赤いボタンを押します。すると10秒間だけ最高出力が448kWから478kWに、最大トルクも740Nmから770Nmへとアップ。どんっという加速力が得られます。 さらに、前後左右輪の駆動比率などをコンピュータが判断し、ドリフトが容易に行えるユニークな「Nドリフトオプティマイザー」も目玉の機能。ドリフトなんてしたことない、って人にも、かなり簡単にドリフトキング(とまではいかないかもしれませんが)への道が拓けるのです。 乗る人を楽しませてくれるために、モータートルクを制御して、マニュアル変速機のような変速フィールを得られる機能も、かなり楽しめます。パドルシフトを引くと、エグゾーストノートを模した勇ましいサウンドとともに、減速でエンジン回転が上がるのと同じ感覚が味わえます。