VCARB幹部、モナコGP8位角田裕毅に賛辞「特殊な状況でもよくやった」戦略については「ピットストップしないことが最善」|F1
2024年F1第8戦モナコGP決勝で今季5度目の入賞、8位フィニッシュとなった角田裕毅について、チーム幹部が賛辞の内容でコメントを発している。 【動画】モナコGP決勝終盤、タイヤ温存に徹していた角田裕毅に対してエンジニアはプッシュ解禁の指示。角田は「それが聞きたかった」 モナコGP決勝では、オープニングラップから多重クラッシュが発生。ターン2でケビン・マグヌッセンが左前にいたセルジオ・ペレスに接触し、そこからペレスとハース2台がもつれてマシンストップ。ペレスのマシンは大破し、レースはいきなり赤旗中断となった。 デブリ除去&コース修復後、3周目からスタンディングスタートでレース再開。赤旗中にタイヤ交換義務を消化していることもあり、ここから多くのマシンは装着したミディアム、もしくはハードで78周目まで持たせる持久戦を展開する。 入賞圏内のドライバーでは、P6マックス・フェルスタッペンとP7ルイス・ハミルトンがピットに入ったぐらいで、それ以外は残り76周をロングスティントで走り切る流れとなった。 角田もペースがかなり落ちていたが、これはチームのストラテジーによるもの。クリーンエアでタイヤを持たせる狙いで、意図的にラップペースを下げていた。そして、背後にいるアレクサンダー・アルボンには逆にダーティーエアーを浴びせることで、ウィリアムズのタイヤを消耗させるという駆け引きがあった。 タイヤを温存し続けていた角田は、残り13周でエンジニアから「ペースを上げていいよ」とGOサインが出ると、そこからアルボンをどんどん引き離していく。 そして角田はファイナルラップでのファステスト1ポイントを狙いにいった。各セクター自己ベスト更新で走り1:14.720でコントロールラインを通過するも、惜しくも1ポイント追加とはならず。それでも8位で4ポイントを手にした。長らく前後で競ったアルボンとの差も、終盤だけで14.5秒まで突き放している。
VCARBの車両パフォーマンス責任者ギヨーム・デゾトゥー氏は、角田の走りについて「4ポイント獲得!今日のレースでユウキが8位に入ったことは、力強いレースができた成果」と称える内容でコメントを発した。チーム公式メディアがその言葉を伝えている。 「金曜日からユウキは素晴らしいペースを見せており、決勝では私たちのパッケージが改善し、依然として中団勢をリードしている状況であると確認した」 「ユウキはスタートが良く、安定したペースで走り続けた。非常に特殊な状況だったかもしれないが、その中でもタイヤをうまくマネージメントしていた」 また、赤旗再開後は76周のロングスティントとなったが、このストラテジーは流れを考えてもやむ無しだったと見ているようだ。 「赤旗の後、ユウキはハードタイヤで再スタートし、ピットストップしないことが最善の戦略となっていた。レースはタイヤとクルマのコントロールがとても重要だったけど、ユウキはエンジニアのサポートを受けながら、76周にわたって本当にうまく走ったと思う」 これで角田は19ポイントに達し、2023年シーズン22戦で取得した17ポイントを、今季は8レースのみで上回った形になる。チーム名がアルファタウリからVCARBに変わるとともに、AT04からVCARB01という見方でもマシンパフォーマンスは大きく向上したことがわかる。 車両パフォーマンス責任者デゾトゥー氏は「私たちの目標は、引き続き車を改良し続けること」と締めくくり、さらなる向上を誓った。
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