臼杵市、ヤングケアラーの疑い23人 小5~高3対象に初の実態調査
家族の介護や世話を担う18歳未満の「ヤングケアラー」について、大分県臼杵市は昨年、市内の小5~高3の全児童・生徒を対象に初めて実態調査をした。約6割から回答があり、166人が幼いきょうだいらの世話をしていたことが分かった。そのうち23人が「自分のやりたいことができない(ヤングケアラーの疑い)」と答えており、市は必要なサポートなど対応を強化している。 市によると、ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であることから表面化しづらい。周囲の大人や子ども自身も自覚がない場合が多く、適切な支援に結びついていないことが課題という。 市は昨年10~12月、実態把握と必要な子どもへの早期支援を講じるため、2267人を対象にウェブ形式などでアンケート調査を実施した。63・6%に当たる1441人が回答した。 「世話をしている家族がいる」は小学5、6年が109人、中学生48人、高校生9人だった。 「世話をしているためできないこと」として、▽自分の時間が取れない▽友人と遊ぶことができない▽睡眠時間が十分に取れない―などの回答が目立った。高校生年代には、進路の変更を考えざるを得ないや進路を変えたなどの深刻な影響が出ている生徒もいた。 市はヤングケアラーの疑いがある23人のうち、記名した児童生徒に対して面談を実施。相談窓口を提示した他、学校や地域と連携し、継続的な見守りを続けることなどを確認した。 本年度から支援を要する子育て世帯に対して、調理や清掃をする支援員の派遣を始める。サポート体制の充実に向け、市子ども子育て課は「多くの支援機関が横断的に支援していけるよう連携強化を図っていく」と話した。