【エプソムカップ・生情報】不屈のヴェルトライゼンデ復帰戦でも期待十分 トゥデイイズザデイは完熟期突入
[GⅢエプソムカップ=2024年6月9日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝1800メートル] 春の東京GⅠシリーズの熱気が冷めやらぬ府中で行われるGⅢエプソムC(芝1800メートル)。栗東の池江泰寿厩舎は同重賞に2頭を送り出す。その筆頭格は、昨年4月の大阪杯(9着)以来、両前浅屈腱炎で休養を余儀なくされていたヴェルトライゼンデ(牡7)だろう。 輸送前日の8日は、坂路1本のメニューを消化した(4ハロン62・0ー14・3秒)。 「雰囲気が一段と良くなっています」と橋口助手は順調ぶりを伝える。コントレイル世代のベテラン馬で、3歳時にはダービー3着の実績を持つように能力そのものはメンバー指折り。1年2か月の長期ブランク明けがポイントになるが、22年のGⅢ鳴尾記念では右前脚屈腱炎を経て、1年4か月ぶりのレースながらジェラルディーナを退けて優勝。この前例があるだけに、今回の復帰戦でも期待を募らせてしまう。同助手も「今回は帰ってきたときから立ち上がりがスローでしたからね。まだ良くなる余地がありそうですが、地力がありますから」と慎重姿勢ながらも、期待の色を隠さない。この一戦に向けて、入念に乗り込みを重ねてきたヴェルトライゼンデ。2度の屈腱炎を乗り越えた屈指のチャレンジャーが、再びターフに舞い戻る。 僚馬のトゥデイイズザデイ(牡5)も楽しみは大きい。8日は元気に坂路1本(4ハロン61・8ー14・6秒)。 「(谷川岳Sでは)休み明けでも頑張ってくれましたからね。力はあります」と前走を振り返った天本助手。前走・谷川岳S(2着)は9か月の休み明けかつ、オープン初戦ながら勝ち馬メイショウチタンと0秒2差。もともと、2歳時のGⅢ京都2歳Sでは1番人気に支持された素質馬が、いま完熟期に突入しつつある。同助手も、「跳びが大きくて、ゆっくり走るタイプ。千八のほうがいいですよ。今までは坂路で目立った動きをしていなかったですが、今回は『いいな』と思います」と充実ぶりに目を細める。 キャリア初の府中コースになるが、「坂がどうかですが、直線の長くて広いコースはいいですね」と同助手。悲願の重賞タイトル戴冠に向けて準備は万端だ。
東スポ競馬編集部