ホンダ「スーパーカブC100」白煙対策!! 3ピース構造のオイルリング採用ピストンを探していたら「スズキ」のあのモデルが…… 同い年のバイク=スーパーカブと生きるバイクライフ VOL.18
当初は「スズキGS250FW用純正ピストン」を加工流用
ホンダ「スーパーカブC100」の白煙対策としてピストンを探していましたが、実は、なかなか都合が良いものを見つけることができずに、苦労した経緯がありました。探していたボアサイズはφ42~44mmでピストンピン径はφ13mm、それでいて2バルブ仕様のエンジンでした。 【画像】ホンダ「スーパーカブC100」にスズキ製のピストン!? ピストン可能の様子を画像で見る(11枚)
最初に注目したピストンは、スズキGJ71Aと呼ばれるエンジン型式=刻印があるエンジンのもので、取り外して採寸しました。そのモデルとは、スズキ初の250cc、水冷4気筒エンジンを搭載したGS250FWです。1ボディで2ベンチュリを採用した、独特なデザインのキャブレターが特徴的なモデルでした。 ピストンピン径がΦ12mmだったので、オーバーサイズ加工が必要不可欠なのはすぐに判断できました。それ以上に困ったのが、ピストンハイト問題でした。 GS250FWは、それなりのチューンドエンジン的な性格を持ち、ショートハイトのピストンにロングコンロッドを組み合わせたエンジン仕様も特徴でした。つまり、ピストンピン径を加工して合致させたところで、C100純正ピストンのハイトと一致しないため、現実的に利用することができません。 仕方ありませんので、実は、この企画実行の前に、ピストンハイトが一致するように、C100のロングストローククランクを作った経緯がありました。ボア×ストロークは44×45mmとなり、排気量が70ccになるC100が完成しました。 ロングストローククランクの採用によってトルクが増し、さらに3ピースのオイルリングの採用によって(トップリングやセカンドリングもC100純正と比べて薄いハガネ製)、エンジン始動直後から、オーバーヒート状況へ移行しても、マフラーから白煙が噴き出すことはありませんでした。 このロングストローククランクの製作と同時に、シリンダーヘッドの吸排気バルブにもステムシールを追加したため、オイル下がりの要素も減り、尚更、マフラーから白煙を吹き出すことは無くなりました。このバルブステムシール付きシリンダーヘッドへの改造内容は、追ってリポートしたく思います。これはスポーツカブC110でもスーパーカブC100でも極めて効果的な「モダナイズ」(現代では当たり前の技術を旧車に採用)です。