【今日は何の日?】『脳を鍛える大人のDSトレーニング』が発売された日(5月19日)。「脳トレ」ブームが社会現象を巻き起こして、ニンテンドーDSの大ヒットを牽引。3Dポリゴンの川島教授は『スマブラ』にも登場
5月19日は『脳を鍛える大人のDSトレーニング』第1作目が発売された日だ。 2005年5月19日に任天堂から発売されたニンテンドーDS用ソフト『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』は、「脳活性化ソフト」というユニークなジャンルのゲームだ。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 本作の監修を務めている東北大学未来科学技術共同研究センター教授(2005年当時。2024年現在は東北大学加齢医学研究所教授)の川島隆太氏によると、簡単な計算や文章の音読を毎日数分間行うことで、脳の司令部である前頭前野が活性化されて、脳機能の低下を防ぐことができるという。そうしたミニゲームが収録された本作を毎日数分間ずつ継続してプレイすれば、「脳を鍛える」ことができるとのこと。 ちなみに本作には、川島教授によって脳を活性化することが証明されたトレーニングのみを厳選して収録されている(公式HPより)。また、ランダムに出題される3つのトレーニングに連続して挑戦することで、プレイヤーの脳年齢をチェックすることもできる。 このように本作は、通常のゲームとは切り口の異なる実用的な要素の強いソフトだ。ニンテンドーDS本体を90度回転させてまるで手帳を開くような形で手に持ち、タッチペンを使ってメモを書き込むような感覚で操作するのは、ふだんコントローラを握るのが苦手という人にも分かりやすいものとなっている。 発売直後はそれほど注目されていなかった本作だが、口コミで少しずつ人気を獲得。発売から日数を経ても常にセールスランキングに留まり続けるという現象が起こった。特筆すべきはふだんゲームをあまり遊ばない層からの支持を新たに開拓したことで、本作では敬老の日にプレゼントとして需要が高まるというユニークな状況も発生した。 この『脳トレ』や、本作の1カ月前に発売された『nintendogs』といった、従来のゲームとはユーザー層の異なるタイトルが人気を集めたことで、ニンテンドーDS本体も大ヒットを記録。これにより任天堂は「ゲーム人口の拡大」への自信を深めて、据置ゲーム機であるWiiの登場へとつながっていく。 その一方で『脳トレ』には、任天堂らしい遊び心も随所に盛り込まれている。1日に1回挑戦できる脳年齢チェックは、グラフによって日々の推移を確認できるため、ゲーマーとしてはスコアアタックのような感覚で楽しむことも可能だ。 また、3Dポリゴンで表現された川島教授がゲームに登場し、さまざまなアドバイスや豆知識を披露してくれるのも楽しい。実在する大学教授をこのような形でキャラクター化するのも驚きだが、この3Dポリゴンの川島教授はなんと、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにもアシストフィギュアやスピリットとして登場している。 前述のように、ふだんゲームをあまり遊ばない層にまで人気が広がったことで、日本国内での本作の累計販売数は約400万本に到達。さらに『脳トレ』のブームは、海外にまで進出した。特にヨーロッパでは日本以上の大ヒットとなり、本作の世界累計販売数は約1900万本に達している。 本作の絶大な人気を受けて、発売から約半年後の2005年12月には、新作トレーニングが多数収録された続編『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』が登場。このソフトでは脳をリラックスさせるためのゲームとして、『Dr.マリオ』のアレンジ版であるパズルゲーム『細菌撲滅』もプレイできる。 さらに2012年には、ニンテンドー3DSで『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』が発売された。こちらは脳のワーキングメモリーを鍛える高難易度のトレーニングが用意されている。 そして2019年には、Nintendo Switchで『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』が発売された。こちらは過去のシリーズ作から再録されたトレーニングのほか、Joy-ConのモーションIRカメラを用いて指を動かす新作トレーニングなども用意されている。 Switchで新しくなった『脳トレ』に挑戦するもよし、ニンテンドーDSとソフトを用意して、懐かしい操作感覚を体験するもよし。この機会にぜひ、単なる実用ソフトに留まらないその面白さを改めて確認してほしい。
電ファミニコゲーマー:
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