カフェや古着屋も…福井市の新栄商店街リノベーション事業の概要決定 来春オープンへ、昭和レトロな雰囲気
まちづくり福井は8月28日、福井県福井市の新栄商店街で計画していたリノベーション事業の概要を発表した。南東区画の3棟を共同改修して、カフェやギャラリーなど6テナントや、同社直営のシェアキッチン、イベントホールなどを設ける1棟に再整備する。老朽化した木造建築が密集する同商店街の「再生モデル街区」との位置付けで、同社は「一帯の魅力を向上させ、第2、第3のリノベーションにつなげていきたい」と話している。 【画像】吹き抜け空間…リノベーション後のイメージ 同商店街では、老朽化した木造建築物が密集し権利関係も複雑なことから、これまで更新が進んでいなかった。2021年4月には地元商店主らによる「新栄の未来を考える会」が発足し、先進地の更新事業にも携わった専門家や学識者らを交え、共同建て替えやリノベーションなどを段階的に進める更新手法を検討してきた。 共同改修するのは、カフェなどが入居していた建物や空き家など同商店街南東の3棟。同社が地権者4人と賃貸契約を結び、改修、テナント貸し付け、運営まで担う。事業費は約1億4千万円。県と市が中心市街地の再生事業を支援する「県都まちなか再生ファンド」を活用する。秋ごろに改修工事に着手し、来春オープンを目指す。 建物中央部に周辺の通りにつながる内路地や吹き抜け空間を設けた、木造2階建て1棟に改修する。延べ床面積約600平方メートル。元の建物にあったカフェのほか、福井駅西口再開発エリアや商店街内から転居する飲食店、地元アーティストのギャラリー、古着屋などが入る。各テナント区画は10~20坪(33~66平方メートル)程度。 まちづくり福井が直営するシェアキッチンは、飲食店などの日替わり出店利用を想定。イベントホールは内路地と一体的に使えるようにして、同社が仕掛けるイベント会場やレンタルスペースとして活用する。 改修では昭和レトロな雰囲気が残る商店街の風情を残し、地域の文化を感じられる空間とする計画。同社の担当者は「日中を含めて、一帯の回遊につながる建物にする。日々人が集う居場所を創出すことで、エリア全体での次なるリノベーションや新規出店につなげていきたい」と話した。
福井新聞社