マスク氏、ドイツ極右政党AfDへの支持表明 世界政治に足を踏み入れる
ニューヨーク(CNN) 米起業家イーロン・マスク氏は20日、ドイツ極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持を表明し、米国政治以外の領域に足を踏み入れた。 【映像】イーロン・マスク氏、息子に「X Æ A-12」と命名 マスク氏はトランプ次期米大統領に接近しており、次期政権で公的な役割に就く。ドイツ政権の今週の崩壊を受け、AfDを支持する考えを投稿した。 マスク氏は極右活動家ナオミ・ザイブト氏の動画をリポストし、「AfDのみがドイツを救うことができる」と書き込んだ。 近年党勢が拡大しているAfDは、大衆迎合的な反移民の「ドイツ第一」の立場を掲げる。一方で、ナチス時代の思想やスローガンを復活させているとの批判もある。5月には裁判所がAfDの申し立てを退け、ドイツの国内諜報(ちょうほう)機関は民主主義への脅威を理由に、引き続きAfDを監視下に置くことができるとの判断を示した。 AfDの青年組織「ドイツのための若い選択肢(JA)」はドイツ当局から、「過激派と確認された」組織に認定されている。AfDが東部テューリンゲン州で擁立したビョルン・ヘッケ筆頭候補は今年、公の場でナチスのスローガンを口にすることを禁じる国内法に違反したとして、有罪判決を言い渡された。 だが、AfDの人気は高まっており、先日にはナチス時代以降初めてドイツの州選挙で勝利した極右政党になった。ただしドイツの主流政党はいずれも、政権樹立に向けた議席数確保に必要なAfDとの連立を拒む考えを示している。 マスク氏がドイツ政治に介入するのは初めてではない。6月にはサイブト氏の動画に反応する形で、「一部の人からAfDにこれほど否定的な反応がある理由はなぜなのか? 『極右』と言われているが、私が読んだAfDの政策に過激主義的な色はない。もしかしたら私の見落としかもしれないが」と言及。先月にはドイツ連立政権の崩壊を受け、ショルツ首相を「間抜け」呼ばわりしていた。